しがなさが溢れていく

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【ETS2】Euro Truck Simulator 2 というゲームに嵌った話

またブログを一ヶ月更新できなかったのは何故か。その理由を弁明するためには、このゲームの魅力を語らなければならない。そう、MHWやFPSゲームを愛好していたアクションゲーム好きが次に選んだ新ジャンルは、ほのぼのドライブゲームだった……。

 

更新出来なかったことはともかくとして(ごめんなさい)、一部の人には言わばカルト的な人気を誇るゲームである Euro Truck Simulator 2 をレビュー、もとい紹介していこうと思う。

 

 

 

どんなゲームなのか

発売から6年も経つゲームなので概要ぐらいはいくらでも出てくるのかもしれない。

第一にトラックを運転し、最後までトラックを運転する

その名前の通り、トラックを運転するゲーム。日本では目にする機会が少なく、運転する機会はさらに少ない、大型トレーラーと言われるトラック(大型免許とけん引免許が必要なアレ)を運転することが出来る。逆に言うと、トラックを運転すること以外のことは基本的に出来ない

Euroとついているように、ヨーロッパを舞台とした、異国情緒溢れる風景を旅するゲームとも言える。もちろん前述の通り、トラックの運転という部分はあるものの、基本的には高速道路をゆったりと走る、風景の変わりを楽しむ事ができる。

 

ただトラックを運転するだけかと言うとそうではなく、あくまでも運送業者の一人としての生活が基本にあり、モノを安全に運び渡すことでお金を貰うのが目的だ。ちなみにそのお金で何が出来るかといえば、トラックを買うことしか出来ない

正確には勝手にトラックを運転してお金を稼いでくれる運送会社の従業員を雇うことが出来るのだが、その従業員にもトラックを買い与えなければならない。つまり、結局トラックを買うためにお金を稼ぎ、お金を使ってトラックを買うゲームであり、本質的には運転をするゲームだ。

 

 車の登場するゲーム=レーシングという図式は大概あっているのだが、このゲームにはレーシング要素は一切ない。あるのは荷物を安全に運ぶ、つまり交通ルールを守って無事故で運転するだけの要素しか無い。

 

ゲーム性に落とし込んだリアリティ

しかしながら、このゲームはSteamの市場に並んでいるわけで、ゲーム性自体は備わっている。例えば、交通ルールを守るなら、真っ先に思い浮かぶのが最高速度であるわけだが、当然速度違反をすれば罰金を取られる。しかし、逆に言えばお金さえ払えばどんな速度だって出せるし、見つからなければ罰金だって取られることはない。非常に残念なことにプレイヤーには道徳性のステータスは備わっていないので、ゲームらしく好き放題走り回ったところで、進行には全く問題ない

また、当然ながら車は燃料切れをするし、運転手は眠気の限界がある。そういった面で、給油や仮眠のマネジメントをしながら、受注可能な仕事を見極めるといった、緩いゲーム性とリアリティの間の子みたいな要素だって存在する。

 

プレイヤーにはレベルが存在し、レベルが上昇するとより性能の良いトラックやより距離の長い輸送や危険物を取り扱うことが出来るようになる。現実世界で言う、ドライバーとしてのスキルアップや危険物の取扱資格を入手するのと違いないだろう。

他にも、従業員を雇いまくって社長であるプレイヤーが働かなくても勝手にお金が増えるまでに会社を大きくしたりなど、ゲームを進行させる楽しみもしっかり備わっているので、目的のない運送業といわけではない。というか僕はより巨大な荷物が運べるようになることに楽しみを見出すように洗脳されてしまった

 

シミュレータの名に相応しい再現性

このゲームがシミュレータを名乗っているのは何故か、というのは実際にプレイしてみないとわからないかもしれないが、YouTubeで再生数を多く獲得している実際のトラックドライバーがこのゲームを実況してみた動画を見れば、その再現性は伝わるはず。

www.youtube.com

 

その他にもこのゲームに登場するトラックメーカーの一つ、SCANIAが新しいモデルのトラックを出したときには、ゲームスタッフがわざわざトラック会社まで行って3Dスキャンを行い、試乗までしている。 ちなみにその様子はゲームスタジオの公式チャンネルが動画として公開している。

www.youtube.com

 

実際の操作感や3Dのモデリングなど、開発はかなり本気でドライブシミュレータを作ろうとしているのがわかると思う。その典型的な例として、高重心なトラックは普通の乗用車が出すレベルの70km/hあたりで急操作すると、いとも簡単に横転する。他にも、乗用車に比べては鋭敏すぎるフットブレーキや排気ブレーキとリターダーといった補助ブレーキの挙動が再現されている。一方で、こういった小難しい部分は設定でいくらでも簡略化出来るため、どの程度の姿勢で挑むかによって難易度が変わる、ゲームらしさも備えているのが高く評価できる。

 

グラフィックも6年前のゲームにしては随分良好だ。もちろん街の風景はそこまでかもしれないけど、トラックのモデリングは随分良い。ということで僕のゲーム内のスクリーンショットを(記事のサムネイル用に)紹介しておこう。

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 ちなみに、ゲーム内のフォトモードで撮った画像を公開して共有したりすることの出来る World of Trucks というサイトが公式から用意されていたりもする。

 

作業ゲーにしか見えないのに嵌まるワケ

いやいや待ってくれ、結局トラックを運転するだけの作業ゲーだろ?そう聞かれたらそうなのだけれど、いやでも違うんだと僕はもどかしい気持ちになる。

速く走らなくたって、ドライブは楽しい

こう書くと色々と色々なレベルのマニアの方々がよってたかって来るかもしれないが、僕は車好きだ(と自称している)。かといって、熾烈なタイムを争うレースが好きかと言えばそうじゃないし、じゃあ平凡な自動車だけで良いと思うかと言われればやっぱり見た目や速さだって大事だと思う。こういう面倒なグラデーションが存在する車好きのカテゴリのなかで、多分唯一共通しているのが、車を走らせる楽しさだ。

この楽しさを気軽に味わえるのがこのゲームの醍醐味だ。もちろんトラック特有の運転特性なんてものもあるが、そんな些細なことが気にならないほど、操作しているだけで楽しいゲームだ。まあもちろん、免許をお持ちの方で、運転が苦痛でしか無いという人にこの楽しさを無理強いすることは出来ないのだけれど。

 

適度な刺激と退屈のバランス

ゲームをどれだけ本気でやるか、というのは非常に重要な問題だ。つまり同じゲームでも対人戦をメインでやるかCPU戦をメインでやるのかの違いみたいなものだ。いわゆる対人が目的でないゲームはたくさんあるけれども、その大概がストーリーが終わったらやることがなくなってしまうものが多い。さらに具合が悪いことに、そういったゲームを長生きさせようとすると、非常にシビアなやりこみを強要されてしまいがちだ(MHWで言えばタイムアタック)。

そういう面でこのゲームは対人戦で求められるような集中力を必要としない上に、終わりが見えないゲームである。操作は簡単すぎず、やること自体はそこまで難しくない。かといって集中していなければ現実世界の運転と同じように事故が起きる。この絶妙な集中力が必要となるのがこのゲームだ。つまり、音楽を聞いたりだとか、他の人とVCで雑談したりしながらやるのに丁度よい。

それってリアル運転と同じでは?そう、全くもってそのとおりであるのに関わらず、事故になっても何も起きないのだから、それ以上はないだろう。

 

開発とプレイヤーのゲームへの愛情

このゲームが発売から6年経っても未だにDLCでマップが増えたり、新たなトラックが追加されたり、日々Modが登場しているのは、開発とプレイヤーの愛情の深さを物語っているだろう。僕が見てきたこのゲームのレビューの中で一番好きなのがこれだ。

プレイ時間:395.7時間
何が面白いか知らないが
最高である

https://steamcommunity.com/profiles/76561197963306417/recommended/227300/

 400時間あまりもこのゲームに費やした人がこれしか言えないのだ。でもそれは悪いことではなくて、あまりにも愛が深いがために語彙がなくなってしまっている方だと僕は感じている。

こういったよくわからないけどこのゲームが好き、という人が開発もプレイヤーにも沢山いて、その結果このゲームが未だに進化し続けているという結果になっているのだと思う。

 

それでも積極的に買ってほしいとは言えない

だってそうだとしたらもっとこのゲームは日本で十分有名なはずだから。

結局運転しか出来ないゲーム

そうだ。これだけ語っても結局はこのゲームがトラックを運転するだけのゲームという事実は変わらない。つまり、運転すること自体がえらく苦痛な人車という無機物に全くと言って良いほど魅力を感じない人にはこのゲームはえらく向いていない。それどころか、運転を楽しむための設備を揃えなければこのゲームの真の楽しさを味わうことは難しいという事実がこれを後押ししている(後述)。

何が面白いのかわからないのはみんなそうかも知れないが、このゲームを好きになれるかどうかは二分されてしまうのが現実だと思う。

 

出来が良いからこそ、ある程度の環境が欲しくなる

車を運転するゲームには必ずと言って良いほどステアリングコントローラーが欲しくなる。このゲームにもそれは当てはまることで、欲を言えばFFB付きのコントローラーが欲しいのが現実だ。FFBとは、Force Feed Back のことで、平たく言えばハンドルの手応えを再現する機能だ。つまり、エンジンを始動すればコントローラーは揺れ始め、速度を出している時のハンドルは重くなり、段差を越えれば衝撃が来る。特にレースゲームと違って交差点の右左折があるこのゲームでは、曲がったあとのハンドルから手を離してもとに戻すアレもFFBがあれば出来るので是非とも欲しいところだ。

しかし現実問題として、FFB付きのステアリングコントローラーは高い。FFB付きのエントリーモデルでさえ25,000円以上はするので、環境を整えるのが大変というのは事実だし、やればやるほど良い機材が欲しくなってしまうのも事実だ(僕は3枚目のモニターを買おうとしている)。

 

おすすめしたい人のタイプ

まあさて、万人受けしないゲームであることを十分にお伝えした上でおすすめする人について書こう。

第一に、車を運転することを目的としてレンタカーを借りたことのある人は間違いなくこのゲームを買うべきだ。というか僕がそれなので是非買って欲しい。レンタカー数日で何時間でも走れる環境が手に入る。また、車を運転すること自体が好きで、気楽にできるゲームが欲しい人にもおすすめだ。多分絶対飽きないし、むしろトラックの沼に引きずり込まれること間違いなしだ。

あとは当然ながらトラックが好きな人や、なんでもいいからデカイものが動いてるのが好きだとか、そういう脳が小学生みたいな人もきっと向いていると思う。嬉しいことに公式から体験版も出ているので、気になった場合は是非チェックして欲しい。

eurotrucksimulator2.com

 

おわりに

今回は長々と、僕の好きなゲームのリストに新たに参入したゲームについて書いた。 ゲーム歴はそれこそ10年を簡単に越えるような自分にとって、全く目新しいジャンルだったことは間違いない。こういった新たな出会いは本当に衝撃的で、嬉しいことなので、是非とも共有したいと思い、全く今までの文脈を無視した記事を書くに至った。そういった出会いが他の人にも舞い込むことを祈って、初のゲーム紹介記事を締めくくろうと思う。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

 

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