覚醒武器は、ベースとなる武器が貧弱な代わりに、自分で選択した性能/能力を上乗せすることで、生産武器にない強みを持った武器を作成することが出来る。特にシリーズスキルの1つの部位として用いることが出来る特性は、スキルビルドの面からしても特筆すべき点だろう。
弓は属性が重要な武器であることは間違いなく、生産武器の性能に差があるため、属性によって総合火力が他の武器よりも上下していた。一方で、覚醒武器はすべての属性で等しい性能を持ち、実際かなり優秀だ。逆に考えると5本も覚醒武器を完成させなければならないということになるため、どう強化していくのがよいのか、そしてどの属性が生産武器に比べて優れているのか、という点について書いていく。
覚醒能力の選択
そんなの知っている、どうせ属性65555だろう、という指摘もあるだろうが、どれぐらい違うのかも含めて解説していく。
無強化時の性能
まずは何もしていない状態の覚醒武器について軽く解説する。調べればすぐわかることかもしれないが、文章にすると
- 表示攻撃力312(基礎攻撃力260)
- 属性値120(全属性で共通)
- 会心率5%
- 【4】スロット*1
- レア12(カスタム強化枠最大6)
という性能になる。確かにレア12の割には性能が低い(特に属性値)が、属性弓として強化していくとすると地味に攻撃力が高い。
というのも、カガチ弓や龍封じの古弓が264、ベリオ弓かギエナ弓の276、ラグーナシュートが288、そしてディノ弓とジャナフ亜種弓の300、というのがよく見る数値。弓使いは表示攻撃力300をあたかも高いものと錯覚していたが、その実覚醒武器の基礎能力以下だった。……そうでないとMHWのジャナフ弓の再来ということにもなってしまうが。
あまりにもお粗末な属性値以外は弓としてはそこそこの能力を持つため、方針としては属性値強化になることは予想がつくが、実際正しいのかも含めてこれから解説する。
武器性能UP系
覚醒能力のうち、シリーズスキル以外のもので、弓で適用出来るのは以下の能力。
- 攻撃力強化(Ⅴ:+10/Ⅵ:+15)
- 会心率強化(Ⅴ:+10%/Ⅵ+15%)
- 属性強化(Ⅴ+70/Ⅵ+100)
- スロット強化(V相当:【3】Ⅵ相当:【4】)
- ビン【状態異常】
まず比較しやすいところからいくと、攻撃力強化と属性強化だ。以前書いた記事に基礎攻撃力と属性値の対応関係について書いたが、属性値を70上げることは基礎攻撃力を少なくとも14.5上げることに相当し、属性値100は基礎攻撃力20.7に相当する。
もともと覚醒武器は属性値が不足していることが目に見えているので、属性強化を65555と並べていった状態から、他の能力を追加していくことを考える。
まず、会心率強化だが、属性強化を外して会心率強化を入れる場合、まずはカスタム強化の方で10%を稼ぐことをおすすめする。というのも、同じ10%の強化でも、覚醒能力では70下げて+10%であるのに対して、カスタム強化では30下げて+10%であるからだ。また、よくある弱点特効+見切りの構成を考えても、10%以上の武器会心率は無駄になることが多いため、基本的にはこれ以上の強化は不要な可能性が高い。
スロット強化は、スロットを導入することで得られる物理火力スキルを考えると比較しやすい。【3】スロット以下で発動し、14.5もの基礎攻撃力上昇を得られるスキルは恐らく超会心ぐらいしかない※。基本的に超会心Lv3を発動させることは、現在のスキル事情では難しくない。さらに、この見積もりは強撃ビンを使用している時のものなので、実際には属性火力のほうが貢献する。
※矢強化は+26に見えるが溜め射撃か剛射のどちらかしか強化出来ない
状態異常ビンの追加は、他の武器種と違ってスキルからのアプローチもあることに注意したい。大概の場合、ビンを装着して状態異常を誘発するよりも、属性攻撃をした方がソロでは火力が伸びる。マルチプレイを想定し、なおかつ麻痺と睡眠をどっちも使いたい、という人向け。だがそこまでするならボウガンの方が適正が高そうである。
そもそも最大レベルが☆6となっているが、本当に状態異常ビンの使用率を吟味して設定したのかが謎である。
シリーズスキル追加系
特定のスキルを除いた、ほとんどのシリーズスキルの装備1部位分を担うことが出来るようになる。汎用性を考えると、弓の場合は
- 銀火竜の真髄
- 冰龍の神秘
の2択だろう。火力の面では、属性値を70下げてまで入れるスキルを考えると、結局同じぐらいの火力で落ち着いてしまう可能性が高い。今後追加される防具の性能にも依るだろうが、かつての皇金武器程の衝撃はない。
生存・快適スキルを大量に搭載しつつ、最低限の属性火力を確保する、という考えであれば、冰龍の神秘の追加は有効な選択に見える。……が、現状でもかなり生存スキルを盛り込める。MRの歴戦王クシャルダオラやナナ・テスカトリの龍風圧が過酷だった場合はクシャ3部位の需要が生まれるので、そのときは必要になるかもしれない。
おすすめなのは?
ということで、結局のところ全部属性強化にするのがおすすめである。もちろん、特定の状況を想定した装備では他の能力を選択する必要が出てくるかもしれないが、作成にそこそこ時間を要する覚醒武器では、とりあえず属性に特化したものを作成しておけば間違いはないだろう。
既存武器との比較
覚醒武器の既存武器との性能比較を行う。これまで書いてきたように、属性にすべて回すのがひとまずのおすすめなので、その性能を書くと、
- 表示攻撃力312(基礎攻撃力260)
- 属性値500(全属性で共通)
- 会心率5%
- 【4】スロット*1
- レア12(カスタム強化枠最大6)
となる。既存武器で優秀とされている武器との大まかな性能の違いは、元の属性値が高い代わりにカスタム強化の自由度が低い、ということだろう。多くの優秀な生産武器はレア10かつパーツ強化可能と元の属性値が低くてもカスタム強化で大幅に性能が改善することが特徴だ。
カスタム強化を施す場合、全て属性に振るか、会心1枠もしくは龍脈覚醒との組み合わせを考えた回復1枠が候補だろう。そのため、属性値は560または590であることが多い。
火属性
火属性で最も優秀な弓はディノアローⅡだろう。カスタム強化枠もレア10なので会心1属性4のことが多い。カスタム強化込みでその性能を書く。
- 表示攻撃力300(基礎攻撃力250)
- 属性値580
- 会心率10%
- 【1】スロット*2
覚醒弓のカスタム強化を全て属性に振った時の性能を考えると、基礎攻撃力と属性値が共に10ずつ高いが会心率が5%低い、というのが覚醒弓の性能だ。スロットに関しても、【4】スロットで発動させるスキル次第ではディノアローでも発動出来るスキルに収まることもあるし(達人Ⅱ、火炎Ⅱなど)、ディノアロー以上のスキルが発動することもある(体術Ⅱ、痛撃体術など)。
龍脈覚醒込みの装備では武器会心率が余剰になる一方で、見切り+弱点特効構成では5%会心率が足りなくなるなど、状況によりけりだ。ディノアローⅡは生産武器の中でも有数の性能を持つことは間違いないだろう。
水属性
水属性ではラグーナシュートⅡが有力だ。やはりこちらもレア10なので、カスタム強化込みで性能を評価する。
- 表示攻撃力288(基礎攻撃力240)
- 属性値490
- 会心率10%
- 【2】スロット+【1】スロット
見て分かる通り、カスタム強化1枠を会心に振った覚醒弓が数値では完全上位互換になっている。スロットに関してはラグーナシュートはかなり優秀だが、大概の組み合わせは【4】スロットで代用出来る。とはいえ、【4】スロットに存在しない複合スキルを発動させる場合ではラグーナシュートのスロット構成が優れていることもある。しかし、覚醒弓もカスタム強化を利用すればそれ以上のスキル自由度を手に入れられることに注意したい。
性能差はあるものの、大きな差ではないためMHWでいうブレイブハンターボウとガイラアロー水程度の違いと捉えるとわかりやすいだろう。
雷属性
雷属性はカガチ弓かジャナフ亜種弓が有力。このどちらもレア10の2つは傾向の違う武器だが、実現出来るスキル構成によりだいたい同じような火力になる。
まずはカガチ弓の性能は
- 表示攻撃力264(基礎攻撃力220)
- 属性値450
- 会心率15%
- 【1】スロット
となっており、やはりこちらもカスタム会心強化を施した覚醒弓が完全上位互換となってしまう。その場合、属性値はカスタム強化込みで110の差があるため、かなり火力差がある。また、物理火力も流石に基礎攻撃力が40も違うと目に見えるレベルで火力差が生まれてしまうことも事実だ。
次にジャナフ亜種武器の性能だが、
- 表示攻撃力300(基礎攻撃力260)
- 属性値370
- 会心率30%
- 【1】スロット
武器の会心率が高いため、考え方が難しい。会心率の差は会心カスタム強化込みで15%開いており、属性値の差は190。15%の会心率に相当するスロットは多めに見積もっても【4】スロット+【2】スロット程度。一方属性値の差によりもたらされる火力差を基礎攻撃力換算すると39程度の開きになる。この開きはスキルによって補うことは困難であるため、やはり覚醒弓の方が優秀だ。
雷属性弓は生産武器の性能が心許ないというのは他の属性と比較しても明らかだったので、大きな性能差がある。
氷属性
氷属性で優秀なのはベリオ弓とギエナ弓だろう。専ら会心率の関係でベリオ弓を使うことが多いが、性能は近いのでこちらも2つを比較する。
ベリオ弓の性能は
- 表示攻撃力276(基礎攻撃力230)
- 属性値490
- 会心率35%
- 【1】スロット
最大火力は当然覚醒弓の方が高いものの、会心率には大きな差がある。20%の会心率の差ともなると、【4】スロット2つ分ぐらいの差があり、70の属性値の差も矢強化2つ分あればかなり縮めることが出来る。しかしながら、武器スロットの差があり、強撃ビンが前提となっている火力換算なので、依然として覚醒弓の方が火力では上回る。
ギエナ弓の性能は
- 表示攻撃力276(基礎攻撃力230)
- 属性値540
- 会心率10%
- 【1】スロット
こちらはわかりやすく覚醒弓が火力面での上位互換となっている。とはいえ、やはりその差はそこまで大きくないというのも事実。氷属性が有効で、睡眠ビンを使いたいモンスターのMRランク版のクエストがそろそろ解禁されるので、そのクエスト内容次第では十分な選択肢かもしれない。
氷属性の生産武器は比較的優秀な部類だと言えるだろう。特にベリオ弓の武器会心率の高さは、スキル自由度の面ではかなり優秀だと思う。
龍属性
龍属性は尖った性能の龍封じの古弓とハザク弓あたりが候補だろうか。
龍封じの古弓の性能は
- 表示攻撃力264(基礎攻撃力220)
- 属性値640
- 会心率10%
- 【1】スロット*2
圧倒的な属性値を誇る龍封じの古弓は覚醒弓にすら50~80の属性値の差をつける。しかし、その属性値による火力差は基礎攻撃力換算してみると20程度であるため、結局覚醒武器との物理火力差を考えるとむしろ覚醒弓の方が火力が高い、という結果になる。
一方スタンダードな性能のハザク弓の場合は
- 表示攻撃力300(基礎攻撃力250)
- 属性値490
- 会心率10%
- 【2】スロット+【1】スロット
完全に基礎攻撃力が10高いラグーナシュートであるが、結局覚醒弓が上位互換になってしまうという結果に。とはいえ、ラグーナシュートよりは数値的に優秀なため、水属性よりも優秀な生産武器、とも言える。なお、覚醒弓とこれら2つの生産武器の龍封力は全て同じである。
作るべき属性の順番
ここまでくればどの順番で覚醒弓を作成すればよいかはわかりやすく、
- 雷属性
- 水、氷、龍(歴戦クエスト等でよく戦うモンスターで決める)
- 火
の順番になるだろう。いずれにしても、覚醒弓はどの属性でも作成して損はしない性能であることは間違いない。
とはいえ、覚醒能力の付与にも時間を要するし、カスタム強化素材集めもかなり大変だ。レア12のカスタム強化では、カスタム枠開放に大龍脈石を要求され、属性カスタムではハザクやティガ亜種の素材、歴戦金レイアの素材を要求される。それを5本分行うのはそれなりにしんどいので、長期的な目標として付き合っていくのが無難だろう。
今回はここまで。お読みいただきありがとうございました。
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