10/1の最後の追加モンスターとして登場したミラボレアス。モンスター自体の強さから防具や武器の性能まではっちゃけているが、それは主に物理攻撃面。属性火力に重きを置く弓にとって、属性会心や龍脈覚醒を捨ててまでミラボレアス防具を使うべきなのか。また、武器に関してはあまりにも低い120という属性値ということもあり、一見すると取り上げる必要の無い武器に見える。
しかしながら、よく見てみるとわけのわからない攻撃力であることが原因で、相手の肉質次第では有力な場面もある、といったことを書いていこうと思う。
基本性能解説
断滅と崩壊の剛烈弓(以下ボレアス弓)の性能を箇条書きしていく
- 表示攻撃力444(基礎攻撃力370)
- 会心率-30%
- 龍属性120/龍封力大
- レア12
- 爆破ビン以外装着可能/麻痺・毒強化
- 【4】スロット*2
あまりにも悲しい龍属性の数値、そしてレア12でありながらかなり痛手となる会心率-30%。現在主流の弓の運用方法からは遠く離れた存在。やはりミラボレアスは新大陸のモンスターではない。
ナンバリングタイトルの弓といえば物理で全てを解決する傾向にあったが、ボレアス弓はそれを象徴するかのような基礎攻撃力370という圧倒的な数値を持つ。これがどれだけおかしいかといえば、現在の弓の基礎攻撃力の基準となる覚醒武器の260をなんと110も上回る。物理特化した覚醒弓ですら315の基礎攻撃力なので、いかにこの武器の基礎攻撃力が飛び抜けているかが伝わると思う。
また、スロットも防具同様あまりにも投げやりな【4】スロット2つ。武器だけで体術Lv4が発動出来ると考えると凄まじい。また強撃ビン含め、爆破を除く状態異常ビンを装着可能であり、あるとなにかと嬉しい麻痺ビン強化もついているのでサポート性能もそれなりにある。
低い会心率さえカバー出来れば、MHP2Gを彷彿とさせる最強の物理特化弓であることは間違いないだろう。
実際の運用
この武器を評価するには、当然ながら属性弓との比較が必要になる。従って、どれぐらいのスキルを搭載出来るのか、という点も含めて考えていく。そこで、ひとまずの雛形として、僕が適当に作成した次の装備を用いる。
ボレアス弓に会心カスタムを2回施すことによって、会心率は-15%にまで改善する。そこに見切りの+40%、攻撃Lv4の+5%、弱特の+50%、そして挑戦者Lv7の+20%を合わせることで最大会心率が100%となる。
体術Lv5を発動させながら、上記の会心率確保スキルと超会心Lv3という王道の物理強化スキルを発動させ、余ったスロットに矢強化を投入することでスキル上限になった。なお、削撃珠は挑戦者発動のためクローを多様するので、正直いらない気がしている。
特に注目したいのが矢強化スキルで、ボレアス弓の基礎攻撃力が370あるせいで、実質基礎攻撃力+37というとんでもないスキルになっている。また、ドラゴン4部位の真・弾薬節約が発動しているので、調合分合わせて93個程度の強撃ビンを使用可能だ。
属性弓との比較
かつての基礎攻撃力と属性値の変換をやった記事のように、ボレアス弓の基礎攻撃力がどれほどの属性値に相当しているのかを計算する。どんな考え方でやっているのかはその記事を参照してほしい。装備以外の要素として、護符爪食事大と種粉塵を想定する。
属性会心(皇金ムフェト)
ボレアス弓が若干不利になる条件で考えるほうが評価しやすいので、皇金弓の基礎攻撃力は270として扱い、剛射4の火力を比較する。また、物理火力スキルに関しては超会心Lv3の他、矢強化をそれぞれLv1発動させているものとする。次の真・属性会心も含め、スキル構成は次の記事の装備例を考えている。
まず基礎攻撃力の差だが、非怒り時では
- ボレアス弓:644.16= ( (370*1.15) + (6+9+15+10+10)+12 )*(1+0.4*0.8)
- 皇金弓:485.8= ( (270*1.1)+(6+9+15+10+10))*(1+0.4*1.0)
となり、158.36もの差が開く。さらに怒り時では
- ボレアス弓:722.4= ( (370*1.15)+(6+9+15+10+10)+(12+28))*(1+0.4*1.0)
- 皇金弓:485.8= ( (270*1.1)+(6+9+15+10+10))*(1+0.4*1.0)
であり、なんとその差は236.6となる。簡単に言うと上位の弓一本分である。
これを強撃ビンと接撃ビンに分けて属性値換算していく。
- 強撃ビン:属性値=基礎攻撃力差*1.1*(物理肉質/属性肉質)
- 接撃ビン:属性値=基礎攻撃力差*0.961*(物理肉質/属性肉質)
当然ながらこれは属性の通りによって大きく変わってしまうので、モンスター依存だ。物理の通りが悪く属性が通る例としてナナ・テスカトリの物理肉質45[58]属性肉質30の傷ありの値を用いると、
- 強撃:非怒り336.8/怒り時503.2
- 接撃:非怒り294.2/怒り時439.6
とかなり低めの属性値に換算される(一方皇帝金側は龍脈覚醒込みで900前後)。
一方で、物理の通りがよく属性がいまいち通らないイヴェルカーナの頭破壊後の物理肉質55[66]属性肉質20では
- 強撃:非怒り574.8/怒り時858.9
- 接撃:非怒り502.2/怒り時750.3
と皇金にも迫る属性値に達する。かなり相手の肉質に依存するが、物理/属性が3を超えてくるようなモンスター相手では、ボレアス弓が皇金に匹敵する性能を発揮することがわかる。
また、剛射Lv4以外の属性値には0.7倍~0.8倍という強めのマイナス補正がかかる他、通常矢では矢強化スキルの倍率が1.2倍になるため、ここで800ぐらいの属性値が出ていればほとんど皇金ムフェトと同等と判断できる。
さらに不屈や回避の装衣、猫やハンターの笛の効果なども(上限はあるが)武器の基礎攻撃力に依存するなど物理方面はもっと伸ばすことが出来ると言える。とはいえ、物理/属性が2程度ではやはり属性弓を担いだほうが良いだろう。
真・属性会心(覚醒シルソル)
皇金ムフェトと同様の条件と過程で計算していく。こちらはわかりやすく基礎攻撃力は260。会心率の計算が面倒なので100%として計算し、物理火力スキルは超会心のみとする。
覚醒シルソル構成の基礎攻撃力は434= ( (260)+(6+9+15+10+10))*(1+0.4*1.0)となるので、基礎攻撃力の差は非怒り210.16/怒り時288.4となる。覚醒武器の倍以上の差がある。
換算の式は属性会心の倍率が変わるので
- 強撃ビン:属性値=基礎攻撃力差*0.958*(物理肉質/属性肉質)
- 接撃ビン:属性値=基礎攻撃力差*0.837*(物理肉質/属性肉質)
となる。
ナナ・テスカトリの例では
- 強撃:非怒り389.2/怒り時534.2
- 接撃:非怒り340.1/怒り時466.7
とやはり低めだが、こちらは龍脈覚醒が発動しないのでむしろ差は縮まっている(覚醒武器は770か810の属性値)。
一方イヴェルカーナでは
- 強撃:非怒り664.4/怒り時911.4
- 接撃:非怒り580.5/怒り時796.6
となり、前述の剛射4以外の補正を考えるとこちらではボレアス弓が優勢とも言える結果が出ている。
最終的な評価
ボレアス弓は無属性運用という気楽な性格でありながら、実際に有効かどうかは相手にするモンスターの肉質に強く依存する。さらに強撃ビンかつ傷ありかつ怒り状態という厳しい条件のもとで属性弓を上回る性能を発揮するので、運用面は極めて難しいと言えるだろう。
しかしながら、ドラゴン防具による弾薬節約や整備Lv5の発動など物理特化運用を後押しする要素が豊富にあるとも言える。
最後に解禁される歴戦王イヴェルカーナは、上記の肉質のままであればボレアス弓が有利であり、さらに危険なモンスターあることが予想されるので、回避の装衣や転身の装衣を組み合わせた戦い方を考えることも出来る。
肉質をベースとした相手の選定から、定期的な強撃ビンのキャンプでの補給も見越した、局所的な運用であれば、かつてMHP2Gで最強の物理連射弓と言われた殲滅と破壊の剛弓が新大陸に蘇ると言えるだろう。
今回はここまで。お読みいただきありがとうございました。
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