サンブレイクで復活参戦したモンスターにシャガルマガラとゴア・マガラがいる。これらモンスターは狂竜症とよばれる状態異常を司るモンスターである。狂竜症は独特な仕様を持つ状態異常であり、狂竜症を解除(克服)した際には+15%の会心率増加が見込める。
シャガルマガラやゴア・マガラと戦闘するとき以外には基本的にお目にかかることのない状態異常だが、シャガルマガラ装備に備わる狂竜症【蝕】を発動させると自発的にこの状態異常を発動できる。ただ自発的に発動できるだけでなく、狂竜症の効果をさらにハイリスクハイリターンにできるスキルとなっている。
また、シャガルマガラ防具には災禍転福というスキルも設定されている。こちらは状態異常/属性やられを解除した際に攻撃力と属性値を増加させる、といったMHW:Iに登場したスキルである。狂竜症の解除はれっきとした状態異常の解除であるため、災禍転福が発動する。
本記事ではこの2つのスキルの詳細を解説し、採用レベルを議論していく。
スキル効果
狂竜症【蝕】
効果は以下。
- 大型モンスターと戦闘状態になると狂竜症を自発的に発症する
- 克服前は攻撃&属性値強化、回避性能と体術効果
- 克服前は体力が継続的に減少し赤ゲージになる
- 克服後の会心率上昇効果を強化
- 克服時に赤ゲージを回復する
克服前
- Lv1:攻撃力+10 属性値+5
- Lv2:攻撃力+15 属性値+7
- Lv3:攻撃力+20 属性値+10
克服後(スキル無しでは+15% 効果時間60秒)
- Lv1:会心率+20%
- Lv2:会心率+25%
- Lv3:会心率+25% 効果時間を90秒に延長
とてもスキル説明文では語りきれない効果を持つ。自傷と回復のスパンが長くなった龍脈覚醒に近い。
どこかのラスボス防具のスキルと違い、モンスターと出会うまでは狂竜症を発動しないという安全設計(装備するだけで謎の病が発症するのは安全なのか)。当然こんなスキルの装飾品の作成許可が貰えるわけもなく、シャガルマガラ防具(頭/胴/脚)でのみ発動する。
なお、本記事では火力面での貢献について述べるため、回避性能と体術効果については言及しない。
災禍転福
MHW:Iでは自発的に状態異常になる手段が無いに等しかったため、効果が強力だったが、狂竜症【蝕】や鬼火纏等のスキルが追加されたため、若干マイルドになっている。
状態異常か属性やられを解除した際に発動し、効果時間は30秒。また、追加で解除した際は効果時間を上書きする。
- Lv1:攻撃力+12 属性値+2
- Lv2:攻撃力+15 属性値+3
- Lv3:攻撃力+18 属性値+4
狂竜症との組み合わせでは、克服時の前半30秒で発動するため、半分程度の性能で見積もると良いかもしれない。MHW:Iでは【3】スロット装飾品のスキルだったが、サンブレイクではVer11.0以降で【2】スロットの装飾品として追加された。
ダメージ増加量
前提条件
新スキル考察では、その効果を確かめるためにモデルケースに相応しい武器と肉質を設定する必要がある。そこで、この一連の記事ではカガチ弓をティガレックス頭に当てた際のダメージ推移を確認する。つまり、
- 攻撃力:330
- 属性値:27
- 会心率:15%
- 溜め3 連射Lv4, 溜め4 連射Lv5
- 物理肉質55, 属性肉質25
を使っていく。
また、前提条件は以下とする。
- スキル:矢強化Lv3, 弱点特効, 属性強化Lv5発動済み
- アイテム:種粉塵使用, 護符爪所持
- 鉄蟲糸技:剛力の弓がけ、矢強化併用
- ヒトダマドリ:未取得
計算結果-狂竜症【蝕】
克服前と克服後で効果が異なるため、2つに分けて記載する。
○接撃ビン装着時
○強撃ビン装着時
計算結果-災禍転福
ここでは災禍転福単品での性能を比較する。
○接撃ビン装着時
○強撃ビン装着時
計算結果-狂竜症【蝕】Lv1+災禍転福
狂竜症【蝕】の会心率+20%が発動した状態での比較を行う。
○接撃ビン装着時
○強撃ビン装着時
考察
狂竜症【蝕】
ダメージの増加分としては狂竜症を克服する前の方が高い。もちろん、狂竜症克服後は災禍転福も発動できるので、一概に克服前の方が火力が増えるとは言い切れない。
災禍転福の効果時間は30秒のため、効果は克服後の半分しか享受できない。とはいえ、災禍転福のステータス増分は大きく、平均的に見ると克服前と克服後も同程度のダメージ増加となる。例えば、強撃ビン使用中で、狂竜症【蝕】も災禍転福もLv1で発動させると、
- 克服前:溜め3 72.45, 溜め4 86.4
- 克服後前半30秒:溜め3 75.05, 溜め4 88.6
- 克服後後半30秒:溜め3 73.05, 溜め4 85.75
となり、結局克服後の平均は溜め3 74.05 溜め4 87.175である。いずれにしても、狂竜症【蝕】Lv1は単品でもトータルで見切りLv4に勝るダメージ増加量であり、災禍転福を組み合わせるとさらに増加できる、と言えるだろう。
一方で、Lv2以上の狂竜症【蝕】はあまりパッとしない。克服前こそ超会心の1Lvおきの増分に勝るが、克服後がLv1に比べて5%しか増えないため、ややスロットが心許ないシャガルマガラ防具を採用する旨味が少ない。むしろ増分を見越して会心率を75%止めする必要があるといった、スキルや武器の制約すら産みかねない。
また、Lv3は克服後の時間を延長するので、相対的に克服前や災禍転福の発動時間の割合を減らしてしまう。
災禍転福
ステータス増加の数字のインパクトに負けないダメージ増加が確認できる。Lv1の増分が圧倒的で、矢のモーション値は確かに低いが、攻撃力を+12もすれば切り捨てられない範囲で火力が増大する。
一方で、Lv2以上のダメージ増加は微々たるもの。今回の条件ではLv2とLv3の間では物理属性ともに増加したダメージが切り捨てられてしまいダメージに変化がない。これぐらいなら他の防具スキルを内包したものを選択するべきだろう。
狂竜症【蝕】と災禍転福の組み合わせ
実際の装備で用いられるのはシャガルマガラ防具1部位のみであることが多いと想定し、上記条件でも計算を行った。
結果を見れば分かる通り、災禍転福の効果はLv1の方が高い。しかしながら、会心率もそれなりに高い状態(85%相当)のため超会心が災禍転福に肉薄してきている。前述の通り、災禍転福のLv2以上は発動させるメリットは殆どなく、むしろ超会心との相乗効果が見込めるだろう。
まとめ
効率だけ求めるのであれば、狂竜症【蝕】と災禍転福をそれぞれLv1で発動させるのが良い、といえる。そのため、狂竜症【蝕】Lv1と災禍転福Lv2を内包しつつ弓では需要の高い【3】スロットをもつシャガルマガラ頭がおすすめの発動防具だろう。
ただし、頭防具は実用的な【2】スロットスキルを合計Lv4分発動させやすい部位でもある。狂竜症【蝕】は多少なりともリスクを伴うスキルでもあるため、頭防具をひとまずシャガルマガラ頭に固定して考える、というのは個人的にはおすすめしない。
今回はここまで。お読みいただきありがとうございました。
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