ワイルズの弓はワールドと同じように全ての弓が一律で通常射撃が連射矢、剛射が拡散矢となった。一方で、ビン周りのシステムが一新され、新たに貫通ビンが追加された。
状態異常以外のビンは強撃/接撃/貫通の3種類となり、ほぼ全ての弓※がこの3種類のうち1つだけ装備できる。つまり、装着できるビンがこれまでの矢タイプに相当する要素だ。
本作の実際の弓は、常にビンを装着して戦闘することを想定してるため、ビンを装着したモーション値が実際の弓の性能とも言える。本記事では3種のビンの性能をまとめ、重視したいステータスを考察していく。
※アーティア武器の復元パーツの組み合わせ次第では状態異常ビンだけ、みたいなのが生まれてしまう
ベースとなるモーション値はこちらから
参考にしたサイト
今回は計算式だけでなく、貫通ビンの属性値補正もお借りします。
(自力では補正値が算出できませんでした……)
強撃ビン
強く撃つと書いて強撃である。名前は一番強い。
補正値以外の性能変化
従来作品同様、特に攻撃に対する補正値以外の変化は存在しない。残り2つのビンは多少なりとも使い勝手に影響する部分が変化する。したがって、装着するだけで攻撃の威力が上がるビンである。
デメリット無し……と言いたいのだが、弓の立ち回り上の注意点がある。弓は拡散矢を狙った箇所にフルヒットさせようとすると、交戦距離がかなり近くなる。一方で通常矢には近すぎ補正と呼ばれる至近距離限定の威力マイナス補正がある。
後述するいかにもな接撃ビンは至近距離も適正距離にする特性があるため、実質のデメリットとも言える。なお、これまでの作品では強撃ビンのほうが補正値が優れており、立ち回りや弾導強化スキルでカバーしていたのだが……。
物理
物理部分に1.3倍の加算補正を与える。空いた時間に△を押すだけで冗談みたいな補正がかかる。これは他のビンでも同様だが、導ノ矢を使用しない立ち回りでは、ゲージが枯渇することもほとんどなく、ビン装着動作は短いため、連携の切れ目以外では装着が前提となる。
矢フルヒット時の実質モーション値は以下。
余談だが、ビンが実質無制限となったシステムの関係上、本作の強撃ビンの補正値は歴代最弱となってしまった。
属性
強撃ビンは属性に対しての補正値が存在しない。悪さをしない、とも言えるが物理に1.3倍の補正がかかるので、ダメージへの貢献度という観点で見ると属性は弱体化する。他記事の再掲となるが、属性の補正値は以下。
接撃ビン
接して撃つと書いて接撃ビンである。近距離専用のように見える。
補正値以外の性能変化
名前の通り近接寄りの性能変化が起きる。
デメリットとしては、射程と適正距離が短くなってしまう。射程と適正距離を分けて書いたのは、弓にはそもそもダメージが発生しなくなる射程と離れすぎて適正距離から外れる2段階が存在するからだ。ダメージ観点では適正距離が重要だ。
実は適正距離でみると、チャージステップ0.5回分ぐらいしか短くならないため、大したデメリットではない。超大型モンスターと戦うとき、遠目の距離でダウンを取ったときなどに若干気になる程度だろう。
メリットとして、密着距離も適正距離となる。拡散矢のフルヒットを積極的に狙うプレイスタイルではこれ以上無い恩恵である。MHWを弓で遊んでいた人の多くは、近すぎ補正を気にしなくて良いため、接撃ビンのほうが立ち回りが楽、と感じていたのではないだろうか。
物理
物理部分に1.4倍の加算補正を与える。今作の接撃ビンは上記の性能変化の代償に強撃ビンを上回る物理補正を手に入れた。……禁足地での代償という言葉の意味は調査が必要だろう。
モーション値は以下。
余談だが、ビンが実質無制限となったシステムの関係上、本作の接撃ビンの補正値は歴代最強となってしまった。……???
属性
こちらも属性に対する変化はない。傾向も強撃ビンと同じだが、より物理偏向となる。補正値は割愛する。
貫通ビン
貫通属性は作品・武器種によって強さが極端だが果たして……。
補正値以外の性能変化
通常矢、拡散矢双方が貫通属性になる。矢の本数などに変化はなく、貫通属性の矢が最大6本同時に射出されるという今までにない個性を持つ。
射程などには変化はないが、矢の軌道も特に変化しない。剛射や剛連射も拡散矢のままであるため、拡散する貫通矢を多段ヒットできるように運用する必要があり、相手を選ぶ上、立ち回りの難易度も高いといえる。
物理
貫通ビンは他の2種と異なり、独自のモーション値に変更される。また、多数ヒットする関係で、ヒット数ごとに威力が変動するが1ヒット目を1倍とすると、1.0/1.2/0.9/0.5と変動していく。各溜め段階ごとのモーション値テーブルは以下。
◯通常
◯剛射
※トレーニングモードでは溜め3の4hit目は計測できないため推測値
◯剛連射
これらを矢が全てヒットしたものとして、貫通3hitと4hitに関してまとめると、
◯貫通(3hit)
概ね3hitさせれば強撃ビン以上接撃ビン以下の威力が出ることが確認できる。4hitでは接撃ビンよりも高火力になる。最大火力の剛連射に注目しがちだが、溜め3通常矢に関しては3hitの時点で最高火力となる。
ただし、これを全て同じ肉質の部位にコンスタントに当てることはほぼ不可能に近いので、実際のモーション値はこれより低いことのほうが多いだろう。
属性
属性に関しても補正値が変更される。こちらもヒット数によって補正値が変わるが、物理とは別の変動をしており、1hit目を基準とすると1/1/0.8/0.4となる。
また、通常/剛射/剛連射で補正値のテーブルは同一となる。
ここで力尽きたのか?
◯矢1本あたり
◯貫通(3hit)
◯貫通(4hit)
補正の差別化がなされていない関係で、通常矢では3hitの時点で通常よりも高い属性補正値を持つ一方で、特に剛連射での属性値が他の矢タイプよりも低い。
こう見ると属性が弱いように見えるが、通常矢の4hitは他の1.28倍とかなり高く、物理側の優位性も相まって、通常矢運用に関しては貫通ビンが最も優れているかもしれない。特に拡散矢のフルヒットが狙いにくいモンスターに対しては有効かもしれない。
また、ダメージ計算上、1に満たないダメージは最低保証として1に切り上げられる。特に溜め1は劣悪な属性補正であるため、むしろ切り上げ補正のお陰で見かけの属性値が高くなる、という現象が発生する。(そしてこれが僕が補正値を算出できなかった原因である)
例:属性値240属性肉質20に溜め1のダメージ
切り上げ無し→0.48+0.48+0.384+0.192=1.536
切り上げあり→4
ちなみにこれに対応する属性値は625である。
まとめ
今作で選ぶべきビンは一体……?
溜め3比較
最も撃つ機会の多い溜め3を抜粋する。
◯物理
通常矢に関しては、3hitの時点で他ビンを上回り、4hitの上振れも存在する貫通ビンが優勢である。貫通のhit数に関しても、通常矢であればそこまで懸案が存在しないだろう。
拡散矢では、貫通矢が途端に扱いが難しくなることも考慮すると接撃ビンが優位だろう。
……強撃ビンはほら、ちょっと射程長いしさ。でも射程が活きるのは通常矢のはずだけど。
◯属性
こちらも物理と同じ傾向。貫通ビンの各論で記載したが、切り上げの関係で現在の属性値であれば低い溜め段階での貫通ビンの実質属性値がかなり高くなる。
運用方針
特に武器の性能に開きがないのであれば、接撃ビンが最も火力が高く扱いやすいのは言うまでもないだろう。今後強撃ビンだが性能が高い、みたいな弓が出てきたときは最終火力を見ながら選定する必要がある。
遠距離寄りの立ち回りをしたい場合は貫通ビンも採用の余地がある。また、モンスターの首などの当てにくい部位に発生した傷口への対処は貫通ビンが優れている。マルチや今後追加されるであろう体力の多い個体などには貫通ビンの弓を2つめの武器として持ち込む、なんて運用も出てくるかもしれない。
今回はここまで。お読みいただきありがとうございました。
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