PUBGのアーリーアクセス版が配信されてから既に2年が経過し、今や無縁とも思われたパズルゲームの大御所、テトリスですら採用することになった一大ジャンル、バトルロワイヤル系のゲーム。
多種多様な亜種のゲームが生まれ、そして中には消えていったものも多いこのジャンル。そんな中、CODとBFという大御所に挟まれる中で消えかけてしまったTitanFallシリーズを生み出したスタジオが繰り出したApexは、バトロワ系ゲームは最早ヒットが生まれないと思われたこのジャンル内で、またとない流行を見せた。
そんな絶賛話題沸騰中のApex Legendsというゲームに僕も漏れなく嵌ってしまったので、今更ながら自分なりのおすすめポイントを、感想に近い形で書いていこうと思う。
Apexの特徴
例えばPUBGは硬派さ、Fortniteは建築という目新しさ、荒野行動はモバイル路線への展開への早さ(色々議論はあったが)などひとえにバトロワ系と言えどもそれぞれの特徴がある。僕の感じたApexならではの特徴を書いていこう。
比較的小さなゲームサイズ
ブームの火付け役となったPUBGは100人のうちの頂点に立つ、というインパクトの大きいゲームサイズに対して、Apexは60人による対戦だ。また、これらのゲームでは複数人でチームを組んで戦うという要素もあるが、Apexは3人でチームを組むことになる。
むしろこのゲームは3人でチームを組むことしか認められていないため、ソロやDuoといったモードは存在しない。したがって、どんな時でも戦闘集団として見れば20組しかマップに存在しないことになり、小さめなゲームサイズであることは間違いないだろう。
そのゲームサイズも考慮に入れてか、マップサイズも小さく、乗り物のような移動手段は用意されていない。むしろ隣町で起きた戦闘の音を聞いて第三勢力として気軽に殴り込みに行けるほどには小さめのマップで、人数の割には戦闘が勃発しやすいのも特徴だ。
ゲーム性自体が隠れてコソコソやることが向いてないことも相まって、ほとんどの試合が20分近くで終わり、優勝する場合では3、4回戦闘を経験することも珍しくない。気軽に遊べる上に戦闘も多く、このゲームサイズはプラスに働いていると思う。
キャラクターごとの特殊能力
最近の有名どころで言えば、オーバーウォッチやR6Sのようなキャラクターごとの能力が設定されているのもApexの特徴だ。特にアイテムを収集することでやることを決定していくバトロワ系において、アイテムに依らずに使える能力・武装があるのはかなりユニークだ。
もちろん、直接攻撃に関わる能力は少なく、使えたとしてもそう頻繁に使える能力ではない。多くを占めるのは索敵や立ち回り補助に関係するものだ。もちろんバトロワ系のゲームであるため、あくまでも銃撃戦が主役だが、アビリティを活かせばより戦闘を有利に進められる。使わなくても勝つことは可能である、といった絶妙な調整がされていると思う。
バトロワなのに復活可能
開発スタジオであるRespawn Entertainmentに含まれる、リスポーンという言葉は再配置や復活を意味し、FPSゲームではメジャーな用語だ。それを意識したのかはともかく、このゲームにはバトロワ系では珍しい、完全復活が可能なシステムが存在する。
他のゲームでは一度トドメをさされてしまえばそのゲームでは活躍することは叶わない。しかしこのゲームでは、リスクは伴うもののトドメをさされた味方を完全復活させることが可能だ。
もちろん、復活可能といえどチームの人員が減ることには間違いなく、不利になることは間違いない。しかし、その反面復活出来た場合の喜びは大きく、野良であっても運命共同体であることを感じることが出来るため、かなりこのゲームシステムは良いと思う。
個人的に気に入っていること
もちろん他でも多く言われているかもしれないけど、一応8年ほどのFPSプレイヤーとして気に入った部分を列挙していく。
撃ち合い中心のゲームバランス
バトロワ系のシューターゲームにとって切っても切り離せない要素として、時間とともに収縮していく戦闘エリアというものがある。これによってプレイヤーたちは強制的に移動を余儀なくされ、それに伴い戦闘が発生していくのだ。
したがって、戦闘エリアの移動に巻き込まれずに有利なポジションを取り続けることが出来れば相当有利に戦闘を進めることができる。このため、PUBGではコソコソ隠れるような、待ち有利のゲーム性であったと思う。
しかし、Apexではプレイヤーはそもそも伏せることは出来ないし、キルタイムが比較的長めなこともあって、よほど近距離で強襲されない限りは敵に先に発見されるデメリットも少ない。これらも相まって、戦闘エリアが狭まりきるよりも先に終了してしまうことのほうが多いゲームに仕上がっている。
マップ自体もそこそこの大きさの遮蔽物が各所に設けられているおかげで、必ずしも建物に陣取った方が強いとは言い切れない。もちろん強いポジショニングというものは存在するが、突発的な戦闘では普通のFPSと変わらない対等な撃ち合いが展開されることが多いように感じた。
待ち有利のバトロワ系ゲームの常識を、プレイヤーごとの体力の底上げとマップ構造やゲームサイズによって覆そうとしたように思える。
VCなしの連携がアツい
Apexではゲーム内での他プレイヤーとの意思疎通手段が数多く存在する。他のゲームでは、目的地を示す程度のものしか用意されていないような機能だが、このゲームでは敵の位置や自分がアイテム収集を行うことや、落ちているアイテムを味方に知らせることが出来る。自分の欲しい回復や弾薬のリクエストも可能で、他のゲームではVCがなければ出来なかったような連携をすることが可能である。
味方の所持しているアイテムも特別なコミュニケーションを取らずに把握可能。強制的に3人で組まなければならないという人にとってはネガティブに感じてしまうポイントを、むしろメリットに変えてしまうような気概を感じるほどに充実したコミュニケーション手段は今後のバトロワ系ゲームの指標になるだろうと感じさせるものだ。
手軽に味わえる駆け引きと連携
普段復活可能なFPSを愛好する僕があえてバトロワ系ゲームをやる理由は、数十人の頂点に立つための駆け引きと連携を味わえるからだ。
これを楽しむためには、例えばPUBGであればVCをしながら遊べる友人を複数携え、残り20人ぐらいになってから始まる緊張感のある戦いまで生き残る必要がある。つまり、駆け引きや連携を感じる以前のハードルが高いのだ。
それに対してApexでは、最初の装備の少ない状態での戦闘の駆け引き、中盤で訪れる突発的な戦闘への迅速な対処、そして終盤の緊張感のある戦闘を20分もかからずに体験することが出来る。そして、VCなしでも十分な意思疎通が可能になるように用意されたシステムを活用することによって、野良でプレイしても連携を楽しむことが出来る。
つまり、Apexでは他のバトロワ系ゲームのエッセンスであった駆け引きと連携を抽出し、より手軽に楽しめるようにした上に、キャラ特性やリスポン可能というありそうでなかった新要素を絶妙に組み合わせた作品だと思う。
おわりに/おすすめな人
かつて名作たりえたであろうTitanFall2がFPSの2つの巨塔に押しつぶされて消えかけた過去をなかったことにするように、Apex LegendsはCODやBFのバトロワを押しのけるほどの流行を見せている。これは彼らのFPS制作のセンスの高さ示しているように僕は感じている。
確かにTitanFallの開発元らしい、巨大ロボットをFPSに登場させるというイロモノでありながら銃撃戦を主役に持ってくるデザインはこのApex Legendsでも感じられる。だからこそ、今まで待ち有利なゲーム性故にバトロワ系のゲームを敬遠していた往年のFPSプレイヤーには是非このゲームをプレイしてほしい。
もちろん、バトロワ系らしい、実力で劣っていても上手く戦況に便乗して勝つことの出来る場面もそれなりに多く、バトロワ系のゲームからFPSデビューした人も十分楽しめるゲームに仕上がっているように思える。
こんな今イチオシのApex LegendsはPC/PS4/Xboxで無料プレイ可能だ。なんだか宣伝みたいになってしまうけれど、やってみて損はしないゲームであることは間違いなしなので、気になった人は是非プレイしてみて欲しいと思う。
今回はここまで。お読みいただきありがとうございました。
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