ムフェト・ジーヴァ解禁により、弓装備の多様性が増した。例えば、覚醒武器は基礎攻撃力/属性値/会心率のどれかを選択して上昇させることもできる。さらに、武器にシリーズスキルを持たせることも出来るので、武器の性能とスキルを天秤にかけることも出来るようになったということだ。
他にも、龍脈覚醒も弓で用いることの出来るスキルとして有用であることは他の記事で触れている。このようにシルソル4部位に最もダメージの出る生産武器を組み合わせれば良かった装備環境に比べれば、随分選択の余地がある。逆に言えば、選択肢の先にある最適解っぽいものが不明瞭になることも事実なので、それを判断するための基準となる基礎攻撃力と属性値の関係をこの記事では書いていく。
ダメージ計算式と想定する条件
計算式に関するちょっとした解説と、今回計算するに想定した条件について。
計算式
当然のことだが、武器の与えるダメージはステータスに基づいて算出されていて、その式自体も検証や解析によって既に明らかになっている。
とはいえ、ここでそのすべてを解説するのも長くなってしまうので、ここではMHW:Iにおける弓の与ダメージを計算するための式を抜粋する。
- 物理ダメージ:基礎攻撃力*(モーション値/100)*会心補正*(物理肉質/100)*ビン補正
- 属性ダメージ:(属性値/10)*溜め補正*(属性肉質/100)*会心補正
なおこの式で算出されるダメージは矢一本あたりのダメージなので、実際には溜め段階による矢の本数分だけダメージを与えることが出来る。ビン補正は接撃ビンが1.18倍、強撃ビンが1.35倍である。
モーション値や溜め補正、ビン補正などを知りたい人は次のページが参考になる。
条件
弓の場合、溜め段階によってモーション値と属性の溜め補正が決定されるので、本記事では溜め4射撃(モーション値11/属性補正0.8)と溜め4剛射(モーション値11/属性補正1.0)を想定する。また、会心率や他のスキルは次のものを想定している。
- 会心率は弱点特効の発動などを考慮して100%
- 物理スキルはシルソルやムフェトで発動しやすい超会心Lv3
- 属性スキルは属性強化Lv6の1.2倍分+2つの属性会心に分けて考える
今回知りたい情報は、属性値をある量変動させることは、基礎攻撃力をどれだけ変動させることに対応するのか、という情報だ。そこで、次のテオ・テスカトルを例とした計算では、覚醒武器にありがちな、属性値70(強化能力、属性強化Ⅴに対応)が基礎攻撃力でいうとどれぐらいなのかを計算する。
テオ・テスカトルを例として
テオ・テスカトルの頭の肉質は、物理が50(傷つけ時62)に対して、属性が水30となっている。属性値70に対応する基礎攻撃力を属性会心のときと、真・属性会心のときの2つの場合について計算していく。
属性会心
与える属性ダメージは次のように求まる。
- 溜め4:(7*1.2)*0.8*(30/100)*1.35=2.72
- 剛射4:(7*1.2)*1.0*(30/100)*1.35=3.40
対応する基礎攻撃力をxとして、ビンなし/接撃ビン/強撃ビンの場合についてxを求める。まずは傷なしの場合。
- 溜め4:x*(11/100)*1.4*(50/100)=2.72:x=35.324/接29.935/強26.166
- 剛射4:x*(11/100)*1.4*(50/100)=3.40:x=44.155/接37.419/強32.707
傷ありの場合は次のようになる。
- 溜め4:x*(11/100)*1.4*(66/100)=2.72:x=26.761/接22.640/強18.823
- 剛射4:x*(11/100)*1.4*(66/100)=3.40:x=33.451/接28.348/強24.779
つまり、属性値70を上げることは、基礎攻撃力を少なくとも18程度上げることに相当していることがわかる。一方で、覚醒能力の攻撃力強化Ⅴの上昇幅は10であることを考えると、その差は属性会心の倍率ですらかなり開いている。
真・属性会心
与える属性ダメージは次のように求まる。
- 溜め4:(7*1.2)*0.8*(30/100)*1.55=3.12
- 剛射4:(7*1.2)*1.0*(30/100)*1.55=3.91
先程と同様に、対応する基礎攻撃力xを求める。傷なしの場合では
- 溜め4:x*(11/100)*1.4*(50/100)=3.12:x=40.519/接34.338/強30.014
- 剛射4:x*(11/100)*1.4*(50/100)=3.91:x=50.779/接43.033/強37.614
傷ありでは
- 溜め4:x*(11/100)*1.4*(66/100)=3.12:x=30.697/接26.014/強22.233
- 剛射4:x*(11/100)*1.4*(66/100)=3.91:x=38.469/接32.601/強28.496
この場合では、属性値70を上げることは、基礎攻撃力を少なくとも22程度上げることに相当していることがわかる。超会心Lv3を発動させている状況化では、これに相当する火力スキルは矢強化Lv1を通常、剛射撃共に発動させるといったものが考えられる。
一般化する
このように計算してきたが、実際にはモンスターの物理肉質と属性肉質の数値は多種多様なため、肉質を一般化して簡単に計算できるようにする。ダメージの対応から次が成り立つ。
(属性値/10*1.2)*(溜め補正)*(属性肉質/100)*(属性会心補正)=(基礎攻撃力)*(モーション値/100)*(会心補正)*(物理肉質/100)*(ビン補正)
これを今回想定した条件を元にもう少し整理する。今回知りたい情報は少なくともどの程度の基礎攻撃力を上げれば良いか、なので基礎攻撃力側に有利な条件を設定する。つまり、溜め補正は低い方の0.8をとり、ビン補正は高い方の1.35をとる。属性会心の種類ごとに次のようになる。
- 属性会心:基礎攻撃力=6.233*(属性肉質/物理肉質)*(属性値/10)
- 真・属性会心:基礎攻撃力=7.157*(属性肉質/物理肉質)*(属性値/10)
上記の計算結果とは、適宜数字を丸めているので完全には一致しないが、大まかな数値を知ることが出来る。この換算された基礎攻撃力が大きければ大きいほど属性の通りが良い、ということになる。
だいたいのモンスターにおいて、属性肉質/物理肉質の値は小さくても1/3ぐらいなため、これを目安に考えると良いだろう。
例えばカスタム強化における属性強化は30の上昇値を持つが、基礎攻撃力換算では簡単に計算出来て、6.233/7.157に相当するということになる。
この数値を用いればカスタム強化や覚醒武器においてどちらの能力を選択することが火力に貢献するか、を知ることが出来る。他にも武器スキルに銀火竜の真髄を選択した場合、浮いたスキルに火力的な利点を見出すためにはどれほどのスキルを発動させればよいか、といったことも知ることが出来るだろう。
今回はここまで。お読みいただきありがとうございました。
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