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【MHW:I】クラッチクローと傷つけをどう考えるか

アイスボーンにおける新要素は狩猟面だけでなく、環境生物関連にまでに及ぶほど多いが、ゲームプレイに直結する新要素は間違いなくクラッチクローと傷つけ状態の追加だろう。

もちろん武器ごとに細部は異なるが、大まかに言えばクラッチクローを使って特定部位に対して張り付いて攻撃出来るようになり、それに伴い傷つけとぶっ飛ばしという2つの新しい攻め手が増えたと言える。特にクラッチクローと傷つけという要素について、僕なりに思っていることという、レビューと考察の中間のような記事を書いていくう。

 

 

クラッチクローの構想は好み

多くの近接武器にとって、飛んでいるモンスターや高く位置する部位への攻撃は難しかった。そういった状況において、ガンナー的なアプローチで近接武器でも攻撃をしかける事が出来る、というのは極めて良いと思う。

飛んでいるモンスターでは、頭怯みを取ると長いダウンを奪えることが多い。また、翼が代表的されるように高い位置にある部位が部位破壊対象だったりする。こういった目的がある場合、リーチのある武器もしくはガンナーがかなり有利な状況にあった。

そういった、武器間の格差を減らすための攻撃手段と考えるとクラッチクローはかなり良いシステムだろう。

 

そしてまた、特定部位に判定が設定されていない攻撃に対して、張り付いてやり過ごしながらこちらが攻撃を仕掛けることが出来るようになった。その延長線上として、一見理不尽に見える下方向への範囲ブレスなんかをモンスターにクラッチクローで張り付いて回避することも出来る。

こういった、新たなアクションによって戦術の幅を広げることが出来るようになっているのは非常に良いと思う。

 

ちょっとくどいクラッチクロー絡みの演出

しかしながら、クラッチクローとセットで実装された新要素はくどい演出と共に実装された。よろけ怯みは一定ダメージを与えると、モンスター側がクラッチクローを使って下さいと言わんばかりの隙を晒す。この怯みがクラッチクローを使うと延長されること、そして武器によってはこの怯み以外の場面ではしがみつき武器攻撃を安全に出し切るのが難しいこともあって、この怯みを見たら確実にクラッチクローをする、という人も多いのではないだろうか。

 

実際のところ、しがみつき武器攻撃をしてしまうと、攻撃中は何も出来ないので、攻撃の激しいモンスター相手ではよろけ怯み以外はクラッチクローを使いにくいこともある。そして、しがみつき武器攻撃は後述する傷つけ状態への布石という面が強く、それ以上の使い方を模索する前に、傷つけ専用技として落ち着いてしまった人も多いはず。

そのため、一定ダメージを与える→よろけ怯み確認からのしがみつき武器攻撃→再度ダメージを与える→よろけ怯みを起こして……。といったリズムで進行するため、ややくどい感じは否めない。しかも、よろけ怯みのモーションがどのモンスターでも共通の汎用モーションであることもくどさを助長している

 

前提条件となってしまった傷つけと回数格差

傷つけ状態は、クラッチクローから派生するクロー攻撃もしくは武器攻撃によってモンスターの部位を傷つけることによって、肉質を軟化させるというもの。肉質はモンハンにおいて、物理ダメージを左右する最重要な数値であり、これをハンター側の行動で変動させることが出来るのは非常に強力だ。

例えば、本来剣士であれば攻撃を当ててしまうと弾かれてしまうような部位を弾かれないようにしたり、やや肉質が低いが攻撃を当てやすい部位を手間がかかるものの、軟化させることで戦いやすくするなどといった運用は、弱点を狙うことが最適解だったモンハンの立ち回りの幅を広げることの出来る要素だろう。

特にボウガンの貫通弾は弱点部位が広いかどうか、という相性に左右される武器であったが、傷つけのおかげで運用出来る相手を広げることに成功しているだろう。

 

一方で、傷つけ状態は元々の弱点部位も軟化させることが出来る。もちろん、元の肉質が低ければ低いほど効果が大きい、という仕様はあるものの、最も火力が出るのは元から弱点の部位を傷つけた時である。

つまり、上述の立ち回りの幅が広がる要素はあるにしても、やり込んでいくのなら、弱点を傷つけて弱点を狙い続けるという、今までの立ち回りに傷つけの一手間が必要になっただけ、という状況が発生してしまっている

 

そして、この傷つけ状態がクラッチクロー絡みの行動でしか付与できないこと、そして傷つけやすさが武器ごとに異なるというのが新たな武器格差を生む原因となっている。

傷つけ状態を一番付与させやすいのは、しがみつき武器攻撃である。そのしがみつき武器攻撃1回で傷つけ状態に出来る武器と、2回攻撃をしなければ出来ない武器の2タイプが存在している。これらはそれぞれ1回組と2回組と呼ばれることが多い。

前述の通り、クラッチクロー絡みの行動はモンスターによってはよろけ怯み以外では積極的に仕掛けられないことがある。そのため、傷つけ状態の付与はよろけ怯みの発生に頼ることになるが、よろけ怯みのみで傷つけを行うとすると、1回組と2回組では傷つけ状態の付与しやすさに大きな差があることになる。

もちろん、2回組の武器攻撃は全体的にモーションが短く、スリンガー弾を落とすことがある、という利点もある。しかし、1回組にもモーションが短いものも存在したり、地上攻撃から派生できたりするものもあって、調整が一貫していない印象を受ける。

結論的な立ち回りは、弱点を傷つけることにあるので、武器ごとに異なる傷つけやすさが、新たな格差になりつつある。

 

個人的な願望

問題点を挙げるだけでは生産性がないので、どうなると良いのかについてちょっとだけ僕の意見を書く。

 

まず、クラッチクロー攻撃をせっかく用意したのだから、新たな攻撃手段として積極的に用いることが出来るように調整するべきだろう。僕の個人的な予想では、「クラッチクローを用意したが、特に既存モンスターの中にはクラッチクローの運用が難しいモンスターがいるので、よろけ怯みを後から追加した」と考えている。

1回組はモーションの長い武器も多く、これらを同じ枠組みに収めるためにはよろけ怯みの用意は必要だろう。しかし、これを放置したために2回組でも戦闘中にクラッチクローを割り込ませるのが難しいモンスター相手では、格差が生まれる原因になっている。

モンスターの攻撃の当たり判定を全般的に見直し、攻撃に適した武器攻撃と傷つけに適した武器攻撃の2種類を各武器に用意すれば、わざわざよろけ怯みを用意せずとも積極的にクラッチクローを用いることが出来るのではないだろうか。

 

そして、傷つけという立ち回りの幅を広げるための要素を作ったのに、結局元からの弱点部位を傷つけることが前提となってしまっている状況は、プレイの幅を狭めている。それぐらいなら、傷つけをしても最も柔らかい肉質を更新しないように調整すべきだろう。それに伴い、今作追加モンスターに顕著な傷つけ前提の肉質を見直し、あくまでもこういう戦い方もある、という風に調整するのが良いと思う。

 

こんな感想を抱くのは、なんだかクラッチクロー絡みのアクションは、せっかく作ったので使って欲しい→使わないと損する構造にする、といった設計がされているように思えるからだろう(これはぶっ飛ばしもそうだが)。僕はこういったものより、従来の戦法と同じぐらい強力な手法が追加され、モンスターや戦況ごとに有効かどうか吟味する、ぐらいの奥深さがあった方が好みだ。

 

今回はここまで。お読みいただきありがとうございました。

 

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