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ライズにおける弓の最大の変更点は間違いなく矢タイプの復活だろう。MHW以降から弓をはじめたという人にとっては、矢タイプもさることながら、矢レベルの復活もまた聞き慣れない要素である。
生産武器の中には、低い溜め段階に高い矢レベルが配置されていたり、溜め4の方がむしろ矢レベルが下がる、なんて弓も存在する。そうでなくても、同じ矢レベルでも違う溜め段階で射った時のダメージがどれぐらい変わるか、同じ溜め段階で矢レベルが異なるとダメージがどれほど変わるのかを知るには、溜め補正やモーション値をある程度把握している必要があるだろう。
そこで、本記事では矢タイプごとにモーション値を紹介すると共に、溜め補正を考慮した実質モーション値を比較することでそれぞれを扱う上での注意点なども書いていく。
なお、本記事のデータは以下のサイトの結果を引用している。
溜め補正について
本作の弓を理解する上では溜め補正は非常に重要だ。基本的にはMHXX以前の仕様に戻ったと言ってしまえば簡単だが、MHW以降に弓をはじめた人には全く馴染みのない話である。
弓の射撃の威力を決定するのは、矢タイプと矢レベルに依存するモーション値と溜め段階に依存する溜め補正の2つの要素がある。
まずモーション値とは、技の威力に相当する値だ。単純にモーション値が高ければ威力が高いと判断できる。多くの武器の溜め攻撃は、溜め段階に伴って高いモーション値の技を出すことで溜めの高さが反映されており、モーション値表を見ればだいたいの威力を把握できる。
一方で、弓ではモーション値に溜め補正を別途乗算して威力を決定する。溜め補正のせいで、モーション値と実際の威力が逆転することもある。マガイマガド弓の溜め1貫通Lv5のように、低い溜め段階に高い矢レベルが設定されていても、溜め段階の影響でかなり少ないダメージしか出ないのだ。
そこで、これから紹介する矢タイプごとのモーション値は、溜め補正をかけたあとの実質モーション値で表記する。そのため、実際にその補正の値を知っている必要はないが、ここで簡単に紹介する。
- 物理:溜め1から0.4/1.0/1.5/1.7
- 属性:溜め1から0.7/0.85/1.0/1.125
見てわかるとおり、溜め3と溜め4に非常に強力な補正がかかる。具体的な数値は次からを参照してもらうとして、本作の弓では溜め3以上での射撃が重要である。
矢タイプ
弓の矢タイプは3種類あり、それぞれに矢レベルが5種類存在し、4段階の溜め段階があるので合計で60種のモーション値を持つ(存在しない組み合わせもある)。
連射
MHWでは通常矢という名前だったが、本作では従来作品と同じ連射矢という名前に改められた。
1~4本の矢が一箇所にまとまって飛ぶ。この特徴から他の2矢タイプに比べて非常に与ダメージが安定しやすい。射程もCS2回分ほどはあり、そこそこ長い。至近距離では近すぎのマイナス補正がかかるが、実際の立ち回りで発生することは少ない。
総じて無難で扱いやすい印象があるが、この連射矢のモーション値は次のようになる。
モーション値は合計モーション値を示していて、括弧内に矢1本あたりのモーション値を示している。最終強化ではLv3以上の矢が中心になるので、それに絞って解説していく。
特徴として、Lv3とLv4のモーション値の差が非常に大きいことが挙げられる。矢一本あたりの火力は同じだが、矢の本数がそのまま1本増えるので、威力も単純に4/3倍になっている。
Lv4からLv5へは差だけで見ると1の差しかないが、倍率で考えると1.1倍になる。溜め4を中心に立ち回るのであれば、攻撃力に1.1倍弱の差がなければ矢レベルの差が埋まらないことには注意したい。補足として、現在は存在しないが、溜め3連射Lv5と溜め4連射Lv4がだいたい同じ威力である(これは他の矢タイプでも似たようなことが起きる)。
拡散
MHWの剛射がこれに相当する。横1列に矢を3本もしくは5本射つ。したがって、フルヒットのためには接近している必要がある。ちなみに矢の射程自体は連射より若干短い程度。実質の有効射程がかなり短い。
名前の通り矢が色々な方向に飛んでしまうので、安定してフルヒットさせるには近接武器に近い立ち回りが求められる。近距離での立ち回りを意識しても、ヒット数はモンスターの形状や動きの速さに依存する。
矢の本数は変わらなくても、モーション値が明確に差別化されているおかげで、本数の変わるLv2とLv3の間だけでなく、Lv3とLv4の火力差も十分に大きい(1.28倍)。なお、百竜弓の拡散がLv5を有していない関係で、拡散Lv5を扱える拡散矢は2種類しか存在しない。
火力設定を見ればわかるとおり、半分以上の拡散矢を5本当てなければ同レベル同溜め段階の連射矢にモーション値で負けてしまう。実際には属性ダメージも関係するが、どうせ使うならフルヒットさせる意気込みが必要である。
最大火力は魅力的なのだが、溜め4拡散5を扱える弓が無属性でレア5止まりなこともあってやや不遇な矢タイプと言えるだろう。
貫通
今までは一矢のみだった貫通属性の矢が復活した。文字通り、1本の矢が貫通して複数ヒットする。ボウガンの貫通弾と同様、モンスターの体格に強さが依存する。
CS4回分程の長射程だが、CS2回分程度の距離から近すぎ扱いになる。この弱点は接撃ビンを装着することで解消できるが、射程も連射矢を少し長くした程度になる。結局立ち回り的には連射矢と大して変わらず、弱点に奥行きがあるモンスター相手に特に有効という立ち位置にある。
ヒット数に伴って実際のモーション値は上下する。見て分かる通り、貫通矢が1ヒットあたりの威力が最も高い矢タイプである。とはいえ、ヒット数が確約されているわけでもなく、MHW:Iの弾丸重化貫通弾ほどのヒット間隔でもないことには注意する必要がある。
レベルごとにモーション値が2ずつ増えるというわかりやすい変化をする。Lv3からLv4では1.25倍、Lv4からLv5では1.2倍となる。特にLv4からLv5への変化幅は他の矢タイプよりも急激なので、貫通矢でLv5に対応していることは明確なアドバンテージになる。
連射矢とモーション値を比較すると、4ヒット以上した場合は連射矢を上回ることがわかる。したがって、貫通矢を持ち込む相手の判断基準は、安定して弱点への4ヒット以上が見込めるか、が重要になる。
特に、現在、貫通矢がver1.0時点で危険度が最も高いモンスター(色々と配慮)に対してかなり良いタイムが出ることが知られているが、だからといって全モンスターに貫通矢が有効ではないことには注意したい。
補足:溜め3以上の重要性
これまで各種矢タイプのモーション値を見てきた。そこで改めて溜め段階の重要性について触れておく。
溜め1における射撃では、どんな矢タイプ矢レベルであっても、溜め3のLv1すら超えない威力である。本作の弓の属性ダメージが少なめなこと、大概の弓では溜め1にはLv1~Lv2が配置されていることもあって、ダメージに関してはほとんど期待できない。
溜め2においては、例えば溜め2Lv5が溜め3Lv3を超えることは無いように、溜め3以上での射撃は大きな意味を持つ。溜め段階は射ち続ければ勝手に上がっていくので、溜め2が強くてもクエスト中での割合が低く、影響も少ない。
結局、クエスト中は溜め3以上の射撃がほとんどで、ダメージもその分高く、累計ダメージの大部分が溜め3以上によるものだ。したがって、武器を評価する際は溜め3以上の矢タイプと矢レベルを参照するのが良いだろう。
また、溜め3と溜め4の矢タイプが同じ武器のほとんどが、矢レベルが同じか1上昇する。したがって、矢レベルLv4以上に限っても少なくとも溜め4は溜め3の1.13倍の威力で、最大1.36倍にもなる。
これをどのぐらいの比率で射つかによって火力の上昇幅は異なるが、特に矢レベルが上昇する弓では弓溜め段階解放によって最低1.1倍程度の火力上昇は見込めるだろう。
おわりに
本記事では矢タイプごとに、モーション値を比較することで、それぞれの特徴を考えてきた。連射矢を基準として判断するとそれぞれの矢タイプを使う上では、
- 拡散:弱点に5ヒットが見込めるか
- 貫通:弱点に4ヒット以上が見込めるか
といった条件を満たしている必要がある。特に今作はハンター側が機敏に動く関係か、モンスターも機敏で移動量が多く、拡散や貫通のヒット数を安定させるには相性への注目や立ち回りの工夫が必要だ。
矢レベルに関して言うと、矢レベルが上がると威力は1.1倍以上になるので、矢レベルによる物理火力の差を補うには1.1倍以上の攻撃力が必要になる。弓の性能を考える時は、まず溜め3以上の矢タイプとレベルに注目し、その次に攻撃力などの詳細なステータスを見るのが良いだろう。
今回はここまで。お読みいただきありがとうございました。
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