ライズになって、スキルのシステムや効果が変更され、新作ということもあるので、スタミナスキル検証を行うことにした。何度言ってきたかはわからないが、弓はスタミナを燃料にして攻撃する武器だ。
したがって、スタミナスキルを搭載するのは重要だが、体術とスタミナ急速回復というアプローチの異なるスキルが存在するため、評価が難しい。
しかし、弓はスタミナを満タンになる場面がほとんどない。そこで、単純なスタミナ消費量ではなく、スタミナ回復の待ち時間に注目して議論することで、これらのスキルをまとめて評価し、考察していく。
基本情報
まずはスタミナ消費を軽減する各要素について説明する。
体術
チャージステップ(CS)や前転回避などの行動には固定のスタミナ消費が設定されおり、軽減要素なしでは25消費する。この消費に対して体術はLvごとに25から10%軽減する効果がある。
弓にとっては、行動可能回数が増えるスキルと言っても過言ではなく、MHWから最重要スキル(実質の必須スキル)として認識されている。スキル無しとLv5では手数が2倍になると考えても問題ないだろう。
考え方を変えると、次のCSが出来るようになるまでのスタミナの回復時間を減らすスキル、と捉えることができる。本記事ではこの考え方に基づいて、スタミナが回避1回分相当回復するまでの時間で評価することで、スタミナ急速回復を含めて画一的に評価している。
これらをふまえて実際のゲーム内でスタミナを計測した結果が次の表である。
ただし、表における時間の単位はMHRiseが1フレーム動作する時間にもとづいている。ライズでは最大30fpsで動作するので、1fは1/30秒ということになる。
表を見ると、計算時間よりも計測時間のほうが早く完了している場合があるが、これはMHRiseのスタミナゲージの端の視認性が悪いことが影響しており、実際には計算値の方が信用できるだろう。
なお、本計測によりライズのスタミナ回復はMHWよりも鈍化していることがわかった。ライズでは1.2秒で25回復するが、MHWは1秒ちょうどで25回復していたので、ライズのスタミナ回復は1.2倍時間がかかるようになったと言える
スタミナ急速回復
スタミナ急速回復は体術とはアプローチが異なり、スタミナの回復速度をLv1/2/3の順で1.1/1.2/1.4倍するスキルである。スタミナ軽減要素とスタミナ回復加速要素が混在するため、直感的な評価を難しくしている。
本作ではLv3での効果が変更され、よりスタミナ回復を加速させるようになった。そんな本スキルの計測結果は次のようになった。
この表を見るとわかるが、残念ながら本作もスタミナ急速回復が体術を超えることはない。もちろん、Lv3の効果はそこそこなのだが、体術Lv3と比べると見劣りする。
これはCS中心で立ち回った場合の話だ。しかしながら、本作では溜め中のスタミナ消費が僅か。多少溜めを多用したところで、射撃時のスタミナ消費を軽減する体術の方が有力だろう。
強走薬
飲むとスタミナ消費を軽減するアイテム。MHXX以前のプレイヤーにとっては効果が大幅に変更されているし、実はMHWとライズでも仕様が異なるのでMHWのプレイヤーでも注意が必要だ。
表から、強走薬の効果は25%軽減ということがわかる。さらに、体術と効果を重ねがけすることができ、軽減効果=(1-体術効果)*(1-0.25)として求まる。
MHWと比較すると、強走薬に関しては最大50%という制約がなくなっている。体術Lv4以上と強走薬を組み合わせると、50%を超える軽減効果が得られる。本作で鈍化したスタミナ回復速度を考慮しても、MHW以上にスタミナ消費を抑えられる。
おだんご体術(キビキビだんご)
発動するとスタミナ消費量を軽減する食事スキル。発動率は50%と低いが、謹製おだんご券によって90%で発動する(100%でも良かったのでは?)。
結果から、おだんご体術の効果は20%軽減ということがわかる。体術と重ねがけ出来るのは強走薬と同様だが、こちらは最大50%軽減の制約がある。
MHWでは体術、食事スキル、強走薬は全て別枠で最大50%であったが、本作では体術と食事スキルが同じ枠で最大50%、強走薬は別枠で制約なしといえる。
これを確かめるために強走薬とおだんご体術を併用した状態で計測を行った。
計測結果と計算結果が一致している。MHWと比較すると、Lv3までは軽減効果が大きいのが目立つ。本作では食事スキルは体術の代用に留まるが、強走薬はそれ以上の効果が期待できるといえる。
複合状態の評価
体術とスタミナ急速回復を組み合わせた場合について、検証結果に基づき回復時間を計算した。なお、以下の表では一番上をクリックするとソート出来るので活用して欲しい。
回復時間の意味について
さんざん回復時間を軸に評価してきたが、実際この数値にはどんな意味があるのかが疑問な人もいると思う。実際のところ、回復時間がこの値だから強い、という絶対的な指標でないことには注意して欲しい。
自分の装備スキルやアイテムの仕様状況を確認して、スタミナを切らしやすいと思ったら、より短い回復時間の構成を試す、余りがちなら長めの構成を試す、といった利用方法がおすすめだ。そして、最も効率の良いスキル構成を見つけるために以下の計算結果を活用して欲しい。
体術+スタ急
まずは装備スキルのみの場合を計算し、比較する。
一番上の体術Lv5スタ急Lv3はかなり大幅に回復時間を改善するが、これは体術の上限のせいであり、残念ながら他の結果を見ると特段スタ急Lv3が優秀というわけではない。 合計レベルが同じであれば、体術により多くスキルを割いた方が良いことがわかる。なお、前作体術Lv5(0.5秒)に相当するのは15fなので、今作のスタミナ消費量の多さが伝わると思う。
おだんご体術のみ
おだんご体術を使用するとどの程度スタミナスキルを節約できるかに注目すると良いかもしれない。
表を見ると、おおまかに合計レベルを1節約するが、合計レベル3ではやや効果が大きい。
これは、上限に引っかかるのが体術Lv3.725あたりであることが影響している。回復速度20.16fで足りるかどうかは立ち回り次第だが、大体の人は切らすのでは?と思うので基本的に1レベル節約できるという認識が近いか。
また、その影響で合計レベル6のときのみ、体術Lv4スタ急Lv2よりも体術Lv3スタ急Lv3の方が回復時間が早いという例外的な逆転部分があるので注意して欲しい。
強走薬のみ
基本的に体術+スタ急の時間を0.75倍するだけであり、上記の結果から体術全振りが最大効率なので強走薬紹介時の結果と、以下に示す結果を合わせて利用して欲しい。
本作最短のスタミナ回復時間は9.64fとなり、何もしないときに比べて約3.7倍程早くなる。言い換えれば、最大行動回数もほぼ3.7倍となる。何かの事情でスキルなしアイテムなし縛りをする人はかなりの苦行となるだろう。
おだんご体術+強走薬
出来る限りのスキルを火力スキルに回したいタイムアタックなどでは、この併用状態を使うことが多いので、この表も多めに記載している。
前作と比較して、併用状態でも上限に引っかかるまでのレベルに猶予が生まれたため、スタミナスキルに割く意味は生まれている。
先程と同様、合計レベル6のときは、先にスタ急Lv3を達成したほうが効率が良いことには注意したい。
補足:身躱し矢斬りについて
身躱し矢斬り(矢斬りステップ)ではスタミナ消費量がCSよりも少ない。計測では体術Lv0からLv5まで計測したところ25/22/20/17/15/13となったので、恐らくスタミナ消費量17(CSの70%弱)といえる。
しかしながら、その他のスタミナスキルやアイテムなどの要素のかかり方はCSと同様であったので、回復時間の絶対量は違うがスキルによる変化の幅は同様といえる。そのため矢斬りステップを使う場合はこれまで紹介した序列であることを念頭に各自スキル調整を行って欲しい。
まとめ
本記事では各種要素を組み合わせたスタミナ消費量に関する検証と軽い考察を行ってきた。基本的な情報をまとめると以下のようになる。
- スキルは体術が効率が良い
- おだんご体術はだいたい+Lv1で上限50%
- 強走薬は追加で25%軽減
- おだんご体術で合計レベル6のときのみスタ急Lv3が光る
スキルの調整は各人の立ち回りやモンスター次第なところがあるので、これといったおすすめはない。
個人的には本作は射撃時のスタミナ消費も増えたので極力スタミナスキルに割くのがおすすめだ。もちろん、矢強化Lv2→Lv3/弱特Lv2→Lv3/攻撃Lv3→Lv4といった明らかに強化幅が大きい部分では、スタミナスキルよりも優先すべきだが、それ以外の些細な違いならスタミナスキルの方が実質DPSに貢献するような気がする。
今回はここまで。お読みいただきありがとうございました。
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