MHWのプレイヤーにとって、弓溜め段階解放は、体術に次ぐ弓の必須スキルとして認識されていた。一方で、MHXX以前のプレイヤーにとって、装填数UPが同様の効果を持っており、武器の性能次第では選択肢に入る程度のスキルだった。
本作は、MHWとMHXX以前を合体させたかのようなシステムを持っており、ライズの弓溜め段階は果たして必須スキルと呼べるほど強力なのか?という疑問が生まれる。
本記事ではライズが過去作が融合した仕様であることから、若干昔話をしながら、弓溜め段階解放の性能を解説していこうと思う。
MHXX以前の評価
大まかな概要は以下に紹介する記事が参考になると思う。
MHXX以前の弓は、ライズと同じく武器ごとに矢タイプ/レベルや最大溜め段階が設定されていた。初期状態で溜め4を持つ弓以外にはこのスキルの効果が得られたが、いくつか問題点があり、武器を選ぶスキルだった。
一番の問題は、当時の弓は溜めて射つサイクルを繰り返す武器であり、溜め4解禁の火力上昇と溜め時間の増大が釣り合っていなかったことにある。CSの存在しない弓で、溜め4まで待ったせいで手数が20%減ってしまうのなら、その火力上昇からして発動させる意味はなかったのだ。
また、矢タイプが同じか射程が近くないと扱いにくかった。特に貫通矢と他の矢タイプの共存は難しい。現在のように接撃ビンが無限でもなかったのも大きいだろう。矢強化スキルが強力なのもあって、やはり矢タイプの不一致は避けたかった。
そんなわけで、MHXX以前の弓では溜め3と溜め4が一致している弓、溜め解放をすることで真価を発揮する弓以外では、スキルの重さもあって採用すべき武器を選んでいた。
MHWでの評価
必須スキルとも言われてただけあって、MHWではデメリット無しのスキルだったと言っても過言ではない。
矢タイプ/レベルが廃止され、共通の矢を射つようになった関係から、単純に最大溜めの威力を上げるだけで、矢タイプ的なデメリットは存在しない。また、MHWでは溜め射撃連射やCSの活用により、すぐさま最大溜めになる上に、一度の溜めで何回も最大溜めを射つようになったのも影響している。
また、最大溜め未満の溜め射撃と剛射が相互に連携可能だったので、溜め4を解禁すると連携ルートが大幅に増えるというメリットもあった。さらに、溜め3のモーションが溜め2と同様になりスタミナ消費や硬直の面でも有利になるなど、細かい点を挙げればキリがない。
こんなとんでもない性能のスキルが【2】スロット1つで発動していたこともあって、代替スキル/アイテムすら存在しない、最重要スキルとなっていたのだ。
ライズでの性能
ここまでの話を思い出しながら読んでもらうとわかりやすいかもしれない。
変更点
ライズの弓では矢タイプ/矢レベルが復活しているので、MHXX以前で問題点であった矢タイプの不一致問題はライズでも注意する必要がある。本作ではCS/矢斬りステップが攻撃と位置調整、溜め段階調整を兼ねるので、射程はMHXXほど問題にはならない。また、接撃ビンの存在もあり、不一致でも運用は可能だ。
とはいえ、本作の矢強化スキルはダメージ部分に1.2倍という超補正を持つため、スキル配分の観点から問題がある。矢強化の有無は、溜め3と溜め4の補正の違いや矢レベルの違いほど大きいので、ほとんどの場合※同じ矢タイプで溜め4が使える弓の方が総合火力が出るだろう。
また、連射と拡散は共存しやすいが、貫通はモンスターの体格を選ぶため、ライズの仕様であってもミスマッチだと言えるだろう。
※今後武器性能が極めて高いのに溜め3と溜め4が不一致みたいな弓が追加された場合は一考の余地がある。
そして、重要な変更点として、剛射から溜め射撃への連携が削除されたこと、溜め3の硬直やスタミナが軽減されなくなったことがある。これらはMHWで単純な威力以外で溜め段階解放を強力にしていた部分であり、立ち回り的な優位点はほぼ失われたと言っても良い。
また、スキル発動のためには頭防具を丸々1つ使ってしまう。現在の防具性能では問題なくても、今後のDLCによって優秀な防具が解禁されれば、実質の発動コストは重くなっていくだろう。
もちろん良い変更点もある。それは、溜め補正や矢レベルの復活により、条件が揃った場合の火力上昇が比類なきものになったことだ。その最たる例としては、ナルガ弓が挙げられる。溜め3では貫通Lv4、溜め4では貫通Lv5が解禁されるため、溜め4は溜め3に比べて1.36倍(=1.2*(1.7/1.5))の火力上昇になる。
他の矢タイプや溜め4を検討している武器の火力上昇が気になるのであれば、以下の記事を参考にして欲しい。
溜め4の強み
どんな場面で溜め4を射つのかを挙げながら溜め4の強みを考えていく。
まずは、多くの人がやっているだろう、溜め3から剛射→剛連射と繋いだ場合を考えてみる。ここでは、条件を揃えるために溜め3と溜め4では同じ矢タイプ/矢レベルの射撃をしているとする。
計算しやすいように溜め3の火力を1.5と考えると、スキルなしでの合計火力は4.5、スキルありでは4.9となるため、溜め3→剛射→剛連射では溜め補正だけで物理火力が約1.08倍になるといえる。ちなみに属性補正も1.0から1.125となるので、属性火力も約1.08倍になることにも注目したい。
ライズでは溜め射撃と剛射に威力的な違いは無いので、CSループでも同様のことが起こる。CSループを増やせば増やすほど溜め補正の違いに威力差が近づいていく。立ち回りのうち、溜め3を射ったあとの射撃が全て溜め4に置き換わる、と考えるとかなり溜め4を射つ機会が多いと感じるだろう。ほぼ同じ割合で射った場合でも物理属性共に約1.06倍程度の火力は上昇する。
例えばダウンしているモンスターに先程の連携をしたのち、CSでもう一度繰り返した時を考えると、物理火力では約1.11倍、属性火力では約1.1倍になる。
このように、溜め補正だけでも物理属性両方面で1.05~1.08倍程度の火力上昇が期待できるスキルだ。
とはいえ、何かと優秀なスキルが存在する頭防具を使うのも事実。溜め3と溜め4矢レベルに違いがない場合は、矢強化や弱点特効といった強力なスキルとは取捨選択になるだろう。
逆に、矢レベルも向上するような武器であれば、頭防具だけで1.2倍近くの火力上昇になるので、弓溜め段階解放はかなり有効なスキルと言えるだろう。
まとめ
本記事ではライズでの弓溜め段階解放について解説した。ライズではMHXX以前ほど扱いにくくはないが、MHWほど全能性も無い、というのがまとめになる。性能を一文にするなら、
溜め補正では矢強化弱点特効に次ぐ火力向上が期待でき、矢レベルも上昇するなら最高クラスの火力スキル
と言えるだろう。強力なスキルであり、現状強いと感じる武器の大半は、溜め段階解放が極めて有効な武器であるとも言える。剛射やCS溜め射撃を中心に強化されることから、その性質は頭防具で発動するMHX時代の変則射撃に最も近いと言えるだろうか。
今回はここまで。お読みいただきありがとうございました。
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