弓のライズでの大きな変更点である、矢タイプ/レベルは原因の武器の評価を難しくしている。例えば水属性連射矢では、タマミツネ弓が会心率以外の数値で百竜弓よりも劣るので、なんとなく百竜弓の方が強力に見える。一方で、トビカガチ弓に注目すると属性値が高いことから、物理火力に差こそあれど属性ダメージを考えるとどっちが強いのかを自信を持って回答するのは難しい。
そこで、本記事と今後の複数の記事で、矢タイプごとに属性ごとに百竜武器と生産弓とを比較して、どちらがダメージを出しやすいのかということについて議論していく。
今回は他の矢タイプと比較しても汎用性が高く、最大火力も基準としやすい連射矢の比較を行っていく。
なお、DLCが追加されると結果は変わると思う。本記事では現在ver1.1.2を想定している。
条件設定
細かい計算式、前提条件などは前に百竜弓の属性値について議論した記事で解説しているので、本記事では簡単に条件を記載する。
- 剛力の弓がけを使用
- アイテムなどの強化は護符爪種粉塵の+35
- スキルは基本的に弱点特効Lv3矢強化Lv2属性Lv5弓溜め段階解放Lv1
- 百竜弓は上記記事の属性振りのものを想定
とする。ちなみにスキルは弱特Lv2 連射矢Lv1 【1】*1の護石で実現できるが、僕がたまたま入手できただけで、実際はもう少し控えめなスキルかもしれない。
計算結果
計算結果と簡単なコメントを書いていく。
火属性
火属性はアンジャナフの弓、蛮顎弓フラムアルクスが有力だ。オーソドックスな火属性強化だけでなく、痛恨の一撃という百竜強化が存在する。正確な効果については不明だが、本記事では計算が簡単なこともあって、25%の確率でマイナス会心が1.5倍ダメージの特殊なクリティカルになる、としている。
マイナス会心判定が起きたとき、+50%のダメージと-25%のダメージが1:3の割合で生じる。このダメージの期待値はちょうど、もとのマイナス会心率を4で割ったマイナス会心率に相当し、(痛恨の一撃の実質会心率)=(元の会心率÷4)ということになる。つまるところ、アンジャナフ弓の実質会心率が-5%になる、ということだ。
また、アンジャナフ弓は【2】スロットも持っており、追加で火力スキルを発動できるため、各百竜強化での発動スキルは次のものを想定した。
- 痛恨の一撃:攻撃5 矢強化3 溜め解放1(護石:攻撃Lv3 【1】*2)
- 火属性強化:見切り1 矢強化3 弱特3 溜め解放1(護石:弱特Lv2 連射矢Lv1 【1】*1)
護石は僕が所持しているものを想定しているので、特に痛恨の一撃の方は若干スキルが増える可能性がある。
比較時の最終ステータスはそれぞれ次のようになる
- 百竜弓:攻255 属28 会0%
- アンジャナフ弓1:攻322 属14 会-20%(-5%) ※痛恨の一撃
- アンジャナフ弓2:攻299 属24 会-15% ※属性強化
仮想敵として設定したモンスターはゴシャハギ(物理50 属性25)である。結果は次のようになった。
-
百竜弓
溜め3連射4強撃/接撃:35/31
溜め4連射5強撃/接撃:43/39
溜め3属性:7
溜め4属性:8
最終ダメージ:溜め3連射 42/38, 溜め4連射 51/47 - アンジャナフ弓1
溜め3連射4強撃/接撃:39/34
溜め4連射4強撃/接撃:44/39
溜め3属性:4
溜め4属性:4
最終ダメージ:溜め3連射 43/38, 溜め4連射 48/42 - アンジャナフ弓2
溜め3連射4強撃/接撃:40/35
溜め4連射4強撃/接撃:45/40
溜め3属性:6
溜め4属性:7
最終ダメージ:溜め3連射 46/41, 溜め4連射 52/47
なんと、低いダメージも高いダメージもアンジャナフ弓という結果になった。
痛恨の一撃はあくまでもマイナス会心の影響を減らすスキル。弱点特効はやはり会心+50%の圧倒的な性能であるので、多少攻撃を発動させても追いつくことができなかった。
アンジャナフ弓は溜め4がLv4ではあるものの、会心率を加味しても攻撃力で1.1倍以上の差があるため、物理方面では百竜弓を超える。また、元の属性値は低いが百竜強化によってそこそこの属性値まで上昇するので、属性値での逆転も起きなかったといえる。
水属性
水属性で有力なのは、タマミツネの弓、狐弓ツユノタマノヲⅡである。いかにも直近で強化が追加されそうな名前とレア度ではあるが、それは百竜弓も同様なので、ひとまず優秀な武器として紹介する。こちらは特に込み入った条件もないので、百竜強化は水属性強化とし、最終的な性能を紹介すると、
- 百竜弓:攻255 属28 会0%
- タマミツネ弓:攻244 属26 会10%
となる。対象とするモンスターはアンジャナフ(物理60 属性25)とする。アンジャナフが例なのはどうなのかと感じるかもしれないが、水属性に関しては、水弱点に見えるマガイマガドも鬼火纏い時は雷の方が通るので適していない。通常クエストで、明確に水弱点で危険度が一番高いモンスターはアンジャナフである。結果は次のようになった。
- 百竜弓
溜め3連射4強撃/接撃:42/37
溜め4連射5強撃/接撃:52/46
溜め3属性:7
溜め4属性:8
最終ダメージ:溜め3連射 49/44, 溜め4連射 60/54 - タマミツネ弓
溜め3連射4強撃/接撃:41/36
溜め4連射4強撃/接撃:46/41
溜め3属性:7
溜め4属性:7
最終ダメージ:溜め3連射 48/43, 溜め4連射 53/48
武器のスペックからしても百竜弓が優勢に見えたが、やはり百竜弓の方が全般的に優秀である。特に溜め4では矢レベルの差が顕著に出ていると思う。
雷属性
雷属性の優秀な生産武器はトビカガチの弓、飛雷弓【羽々矢】である。こちらは属性値が優秀な弓で、会心率や矢レベルもそこそこ、とMHWよろしく優等生気味な武器である。こちらも雷属性強化を選択し、最終的な性能は
- 百竜弓:攻255 属28 会0%
- トビカガチ弓:攻244 属41 会15%
となった。対象とするモンスターはティガレックス(物理55 属性25)である。計算結果は次のようになった。
- 百竜弓
溜め3連射4強撃/接撃:38/34
溜め4連射5強撃/接撃:48/42
溜め3属性:7
溜め4属性:8
最終ダメージ:溜め3連射 45/41, 溜め4連射 56/50 - トビカガチ弓
溜め3連射4強撃/接撃:38/34
溜め4連射4強撃/接撃:43/38
溜め3属性:10
溜め4属性:12
最終ダメージ:溜め3連射 48/44, 溜め4連射 55/50
雷属性では、溜め3においてはトビカガチ弓、溜め4では百竜弓という結果になった。ダメージ差に注目すると、溜め3ではトビカガチ弓が4多く、溜め4では百竜弓が1多いという結果。つまり、百竜弓で溜め3の5倍溜め4を射つと百竜弓が上回るという結果になる。
さらに、これは強撃ビンでの結果であり、接撃ビン使用時では常にトビカガチ弓が優勢である。トビカガチ弓の麻痺ビン強化や作成難易度まで考えると、トビカガチ弓はかなり優秀な弓だ。もちろん、属性の通りやすさによってこの関係は変わることには注意したい。
氷属性
氷属性の連射弓は天華晶弓である。この弓は唯一矢レベルが溜め3も溜め4もLv3というハンデを背負うかわりに、極めて高い属性値である。百竜強化に関しても、氷属性強化だけでなく、弱点特効【属性】を有している。
弱点特効【属性】の効果は、属性肉質25以上に対して、属性ダメージが1.3倍になる、というMHWの属性会心のような効果だ。今回はどちらも想定し最終的な性能は
- 百竜弓:攻255 属28 会0%
- 天華晶弓1:攻244 属71 会0% ※氷属性強化
- 天華晶弓2:攻244 属64 会0% ※弱点特効【属性】
となった。想定したモンスターはラージャン(物理55 属性30)である。計算結果は次のようになった。
- 百竜弓
溜め3連射4強撃/接撃:38/34
溜め4連射5強撃/接撃:48/42
溜め3属性:8
溜め4属性:9
最終ダメージ:溜め3連射 46/42, 溜め4連射 57/51
合計ダメージ:溜め3連射 184/168, 溜め4連射 228/204 - 天華晶弓1
溜め3連射3強撃/接撃:37/33
溜め4連射3強撃/接撃:42/37
溜め3属性:21
溜め4属性:24
最終ダメージ:溜め3連射 58/54, 溜め4連射 66/61
合計ダメージ:溜め3連射 174/162, 溜め4連射 198/183 - 天華晶弓2
溜め3連射3強撃/接撃:37/33
溜め4連射3強撃/接撃:42/37
溜め3属性:25
溜め4属性:28
最終ダメージ:溜め3連射 62/58, 溜め4連射 70/65
合計ダメージ:溜め3連射 186/174, 溜め4連射 210/195
矢一本に注目すると、天華晶弓の圧倒的な属性値によりダメージが出るが、連射矢Lv3とLv4以上の矢の本数の差により、ほとんどの場合で百竜弓が優秀である。
天華晶弓も溜め3においては百竜弓を超えるダメージが出るが、溜め4でそれ以上に逆転されてしまうので、やはり百竜弓が優秀だろう。
龍属性
龍属性の生産弓は、イブシマキヒコの弓、あかしまの神弓である。一見すると属性値が低いが、龍属性強化により百竜弓とほぼ同等の属性値になるため、簡単には判断できない。また、空棲系特攻という見慣れない百竜強化も可能だ。
空棲系特攻の効果は、飛行能力を持つモンスターへの物理ダメージが1.05倍になる、というものだ。ここでは想定するモンスターも飛行能力を持つものを想定し、それぞれを比較する。最終的な性能は次に示すとおりである。
- 百竜弓:攻255 属28 会0%
- あかしまの神弓1:攻266 属19 会0% ※空棲系特攻
- あかしまの神弓2:攻266 属29 会0% ※龍属性強化
想定するモンスターはリオレウス(物理60 属性30)である。計算結果は次のようになった。
- 百竜弓
溜め3連射4強撃/接撃:42/37
溜め4連射5強撃/接撃:52/46
溜め3属性:8
溜め4属性:9
最終ダメージ:溜め3連射 50/45, 溜め4連射 61/55 - あかしまの神弓1
溜め3連射4強撃/接撃:46/41
溜め4連射4強撃/接撃:52/46
溜め3属性:6
溜め4属性:6
最終ダメージ:溜め3連射 52/48, 溜め4連射 58/52 - あかしまの神弓2
溜め3連射4強撃/接撃:44/39
溜め4連射4強撃/接撃:49/44
溜め3属性:9
溜め4属性:10
最終ダメージ:溜め3連射 53/48, 溜め4連射 59/54
こちらもトビカガチ弓で起きたように、溜め3ではイブシマキヒコ弓、溜め4では百竜弓の方がダメージが出る。
雷属性の時とは違い、こちらでは攻撃力の差を矢レベルの差で逆転したと言えるだろう。溜め3でのダメージ差は3であるが、溜め4のダメージ差は2または1である。そのため、溜め3の3倍溜め4を使うのでれば確実に百竜弓の方がダメージが出る。
個人の立ち回り次第でダメージ差が出るのでなんとも言えない。また、製作難易度もどちらも百竜夜行をする必要があり、百竜弓はクリア回数、イブシマキヒコ弓は玉のドロップ率がネックになるので、どちらとも言えない。結局、好みの問題とも言えるだろう。
まとめ
本記事では連射矢について、百竜弓と生産武器を比較してきた。これまでの結果をまとめると以下のようになる。
- 火属性:アンジャナフ弓が優秀
- 水属性:百竜弓が優秀
- 雷属性:トビカガチ弓が優秀だが、肉質次第では百竜弓も検討
- 氷属性:百竜弓が優秀
- 龍属性:イブシマキヒコ弓と百竜弓はほぼ同じ。溜め4中心かどうかで判断。
という結果になった。アンジャナフ弓が注目されるが、今回の計算結果から、生産武器も案外悪くないと言えるだろう。
今回はここまで。お読みいただきありがとうございました。
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